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ANCHOR TECH NOTE

走行性能を左右するフロントウォーク フレーム設計思想

サイズごとに最適なオフセットを4種類用意

バイクの操作性を左右する「トレール値」は、ホイール径とキャスター角、フォークオフセット量という3つの数値で成り立つ。キャスター角はフレームサイズにより変わるため、最適なハンドリング性能を得るには、サイズに応じてオフセット量の異なるフロントフォークが必要。アンカーでは、数値の異なる製品を4種類揃えてトレール値を適正化している。トレール値の変化はハンドリングにどんな影響を及ぼすのか? この値が増すと(キャスター角=減少[寝る]、オフセット=減少[短い])自動操舵性(ハンドルが直進に戻ろうとする力)は強くなり、直進安定性を保ちやすい。自動操舵性に逆らう動きには重く、バイクの反応性は鈍いと感じる。反対にトレール値が小さい(キャスター角=増加[立つ]、オフセット=増加[長い])とハンドリング自体は軽くなるものの、ふらつくような動きを感じやすく、まっすぐ走りにくい。700Cホイールでの標準的なトレール値は55mm ~ 58mmとされ、許容範囲として50mm ~ 64mm までが目安とされる。そして、この範囲での設計が優れた直進安定性能と操舵性能を両立するカギとなる。

55mmの専用オフセットのフロントフォークを用意

アンカーでは比較的大きなフレームサイズの場合、オフセット値を55mm~58mmに収めている。しかし、すべてのフレームで適正値は難しい。とくに300mm台後半からのサイズをそろえるアンカーウーマンなど、小さなフレームほど各部サイズの許容量は低下し、トレール値確保の難度は増す。それはトップチューブ長と安定性をもたらすフロントセンター値の関係性があるからだ。そこでヘッド角を寝かせて対応することになるが、大きなフレームサイズと同じオフセットのフォークを装備するとトレール値が大きくなり過ぎてしまう。するとバイクの重心が前方へ移行し、ハンドルを切る動作が重くなる。さらに筋量の少ない女性では、ハンドル操作が遅れがちになる。これらを考慮して、アンカーではオフセット値55mmの専用フロントフォークを製作。63.4mmのトレール値を確保し、小さなフレームサイズでも直進安定性と操舵性を最適化して、快適な走行性能を実現した。昨今のフレーム設計は、サイズ展開をしぼり、合わせるフロントフォークのオフセットの種類も抑えている。それでは真に最適なステアリング性能は望めない。フロントフォークは走行性能を左右するだけに、アンカーでは手間を惜しむことなく4種類のオフセットをそろえる。それはライダー本位のバイク作りを目指す、我々のこだわりにほかならない。

トレール値

最大約300項目におよぶ安全検査を経てユーザーの元へ

アンカーがバイク作りで最も大切にするもの、それは「安全」。現在スポーツバイクの世界的な安全規格として確立されたものはなく、ヨーロッパを中心に広まっている「EN 規格」が国際基準になりつつある。アンカーではこのEN 規格、JIS(日本工業規格)、「SBAA」(スポーツBAA)に定められた安全検査だけでなく、さらに項目を追加して、これらすべてをクリアした製品だけを発売する。フレームを例にとると、EN規格である荷重落下衝撃試験、ペダル荷重での疲労試験など5つの検査項目となるが、アンカーではさらに4つを加えた9つの検査項目となる。安全検査は発売されるすべてのフレームにおいて、全サイズで実施される。さらにバイクを構成するパーツ一つ一つにまで及ぶ。例えば、新設計のフレームと過去に採用実績のないパーツを組み込んだニューモデルがあると仮定すると、実に300 項目もの安全検査をクリアしなければ販売できない。それこそパーツメーカーの間で「ブリヂストンの安全検査を通れば大丈夫」と言われる所以だ。安全性の追求は発売後もなお続く。市販されたモデルが廃盤となるまで、毎月抜き打ちでフレームとパーツを検査する。アンカーの品質は、ブリヂストンの社内でも特別な部門で製作することにより維持される。パーツアッセンブルは技能認定を受けた専属スタッフが1人1台全ての作業を行なう。これらの厳格なシステムは「高性能は絶対の安全と品質の上に成り立つ」というアンカーの理念に基づいている。