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RNC7

すべては丸断面チューブの否定から始まった
80年代後半ブリヂストンの開発者たちは、剛性と軽さを両立しながら、クロモリ独特のしなやかな走行特性を反映できないかと考えていた。その理想のフレーム作りの第一歩は、チューブ形状の見直しだった。実走状態を再現したコンピュータ解析を行なうと、従来最適とされてきた丸断面のチューブに無駄があることが判明した。そして走行時のフレームで最も応力がかかるのは、ヘッド、シート、ハンガー部だった。この結果を踏まえて3ヵ所を大径化し、それ以外は応力のレベルにあわせて徐々に細くする異型断面のチューブ形状が開発された。

複雑な断面形状を実現するバルジ成型
理想のチューブ形状は、「バルジ成型」という新工法で作られた。この技術はチューブを金型にはめ、両端を固定して内部に超高圧の液体を充てんして成型するもの。そこから生まれた独自のチューブは、必要な剛性に応じて菱形、三角など複雑な断面形状が与えられ、両端をラッパ状に広げて大径化された。
これによりチューブ同士の接合部の剛性は高められ、なおかつ従来型のラグも省かれて軽量も実現。一般的なラグフレームよりも少ない溶接工程は、溶接によるチューブの熱劣化を低減し、素材特性を十分に引き出せるようになった。この理想のチューブ形状を使ったフレームは、新最適形状理論「Neo Contour Optimization Theory」の頭文字をとり「Neo-Cot」(ネオコット)と命名され、先んじて91 年にMTBモデルで市販化される。

軽量化と高剛性を両立するスピニングバテッド加工
しかし、このチューブでロードフレームを作るには重量が重すぎた。そこで「スピニングバテッド加工」と呼ばれるチューブの加工技術を開発。これは回転させたチューブにロールを押し付け、しごくようにして肉厚を変化させる、とても手間と時間を要する加工法だが、軽量化には必要不可欠な技術だった。これが一般的なバテッドチューブで軽量化を阻む内部の段差を無くし、滑らかに肉厚が変化する軽量チューブを完成させた。そのチューブの完成をもって、93年にはロードバイクの「ネオコットクロモリプロフェッショナル」が世に送り出された。

未来を予見していたクロモリフレーム
このフレームは、一般的な丸断面のチューブで構成されたモデルに対し剛性で7%、動剛性で40%アップという驚異的な進歩を達成。しかもクロモリが持つしなやかな走行特性を損なわず、素材特性を限界まで引き出して高剛性化と軽量化を両立した。さらに注目すべきは、フレーム剛性にハード、ミディアム、ソフト(現在は1種類)を用意したこと。つまりネオコットの基礎研究において、ブリヂストンは脚力や脚質の違いで最適なフレーム剛性に差が生じることをすでに発見していた。このネオコットの思想は、「パーソナルマッチング」を掲げた現在のRMZをはじめ多くのアンカー製品に影響を及ぼしている。
ネオコットを陰で支える匠の技
誕生以来ネオコットは、マイナーチェンジによって進化を続け、現在の「RNC7」へと受け継がれている。普遍の製品コンセプトはもちろん国内生産へのこだわりは変わらない。ネオコットを支えるのがブリヂストンの社内でも指折りの技術を持つ職人たちだ。スチールフレームは、溶接技術が走行性能を大きく左右する。ミリ単位での寸法精度はもちろん、溶接時の熱劣化と残留応力を最小限に抑えるために素早く確実な作業が欠かせない。国内で手作りされるネオコットは、独創的な技術と職人技の高度な融合から生まれるアンカーの原点ともいえる存在。日本が世界に誇ることのできる最高のクロモリフレームである。