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12/06/07

UCI MTB WORLD CUP 2012 LA BRESSE(FRA)、MEN JUNIORS出場の沢田時選手が15位入賞。

「世界に挑戦する」を2012年度よりチーム・コンセプトとして掲げるブリヂストン アンカー サイクリング チームから5月20日、フランス・ロレーヌ地方に位置する美しいスキーリゾートの街、ラ・ブレスで開催された、UCI MTB WORLD CUP 2012、男子エリートに平野星矢選手、男子ジュニアに沢田時選手がそれぞれ参戦した。
フランスで行われる自転車レースは、観戦するスペクテータが作り出す“空気感”が他の国とはまったく異なる。老若男女に限らず、“自転車レース眼”は極度に肥えていて、喜怒哀楽のシャウト、さらには食べる、休むなど、絶妙なタイミングを熟知している。見たところ万の単位で集まったそのスペクテータが山全体を埋め尽くし、W杯を作り盛り上げた。


周回コース後半の長くスリッピーな下りと美しいラ・ブレスの街。
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コースは、スタート直後に1.5㎞のスタートループを走り、その後全長4.8㎞、最大高低差300mの周回コースを男子ジュニアは4周回(全20.7㎞)、男子エリートは6周回(全30.3㎞)、の設定で競われる。
スタート・フィニッシュゲートが設けられた地点は500mほどの舗装路で、この付近で観戦するスペクテータたちは、洒落たカフェで食事をしながらレースを楽しむこともできる。ただ、一旦山岳セクションに入れば、我々が立っているのも苦労するほどの、長く急こう配の登り、落下するような下り、小刻みで激しいアップダウン、泥、岩、石と目まぐるしく変わるサーフェイスが続き、気の抜ける場所はない。前日の試走中にもクッション・パッドの世話になる選手が続出していた。
コースを下見し、特に高難度の設定と思えたが、ヴィクター監督は、「日本のコース設定に慣れていれば、このコースを見て不安になるのも理解できる。今回のコースは、世界では標準的な難易度と考えて良い」と語った。

スタート・フィニッシュゲートは舗装路。
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5月20日は、午前9時に男子ジュニア、14時に男子エリートがスタートした。男子エリートに出場した平野星矢選手は序盤の落車で右ひざを大きく負傷しリタイヤ(-2LAP)と不本意なレースに終わってしまったが、男子ジュニアに出場の沢田時選手は、序盤スリッピーなコースに慎重を余儀なくされたものの、中盤からペースを上げ15位入賞という、このカテゴリーでは日本人選手過去最高の成績を残した。
男子エリートは、ABSALON JULIEN (FRA) ORBEA RACING TEAM、男子ジュニアは、KORETZKV VICTOR (FRA) BIKEPARK.CH CRASFTがそれぞれ優勝を飾った。どちらも地元フランスの選手という結果が後押しし、表彰会場はまるでロックコンサートのような盛り上がりを見せていた。
日本はもちろん、もしチャンスがあればぜひフランスの自転車レースでスペクテータの一人となりこの“正しい熱狂”をライヴで体験して欲しい。


世界屈指の選手たちが、世界最高のスペクテータが待つレースに挑む。
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選手を見つめる小さな女神。
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集中を高める沢田選手。
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イメージしたラインへ正確に前輪を落とす。
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まるでスペクテータの中へ落ちて行くようなロックセクション。
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泥、岩、石、そして牧草がタイヤのグリップ力を奪う。
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レースを終え、リラックスする沢田時選手。
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男子エリート1stラップの平野選手。
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右ひざに大きなダメージを負ってしまった平野選手。
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表彰式会場を埋め尽くす山を下りたスペクテータ
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今回で、MTB W杯2度目の挑戦を終えた沢田時選手は、
「後方からだったがとても良いスタートができ、スタートループを終えて15番目くらいを走っていたと思う。周回コースに入ると朝までの雨が影響してかより滑りやすく、3度も転倒してしまった。それで順位を大きく落としてしまったが、その後は気持ちを冷静に保ち、徐々に上げて行くことができた。16位では0ポイントです。今日は15位で1ポイント獲得できたのがとても嬉しい」とコメントし、その明るい笑顔に今後の活躍を期待せずにはいられなかった。
ブリヂストン アンカー サイクリング チームの世界挑戦はまだスタートしたばかりだ。

この後チームは一時日本に戻り、オリンピック選考会(5月27日八幡浜)、全日本選手権大会(6月3日、富士見)に出場する。まだ短期間ではあるが、世界で戦った経験をこのレースにどのように活かすことができるのか注目したい。

text & photo : Minoru Omae