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16/04/19

【2016トラック全日本選手権】一丸、ポイントレース/マディソンに出場

レース名:2016年全日本自転車競技選手権大会トラック・レース
日時:2016年4月16日(土)〜17日(日)
開催地:静岡県伊豆市 伊豆ベロドローム



2016年4月16〜17日にて開催された、トラック競技の全日本選手権、2日目。ブリヂストン アンカー サイクリングチームの一丸尚伍はこの日、男子ポイントレースと男子マディソンに出場します。昨日は無念の涙を飲んだ一丸でしたが、今日はどうでしょう。



トラック競技には、さまざまな種目があります。競技時間2分程度のものから、30分ほど走り続けるもの。1対1で争いひと目で勝敗がわかるものから、いったい今誰が一番なのか見ただけではよくわからないものも。

多くの種目とルールがありますが、ルールが分からなかったとしても、目の前のトラックを、その瞬間の最速を求め、または戦略を駆使して体力の限界に挑むレーサーのスピードと迫力。観戦席からそれを何度も何度も目の当たりにすると、そのたびグッと来ます。

一丸が今日、出場する「ポイントレース」と「マディソン」、その大まかなルールと一丸の模様を、それぞれお伝えしていきましょう。


*ポイントレース

ポイントレースとは、20〜30名ほどの選手が一斉にスタートし、決められた時点での順位により、ポイントが与えられ、その合計ポイントを競うというもの。

今回のレースを例にしましょう。24名の選手が、一周250mのトラックを30km、全120周回、30分ほど走ります。

その10周ごとのゴールラインを通った時の順位で、選手には1位=5点、2位=3点、3位=2点、4位=1点、というポイントが与えられます。つまり、全体で12回、ポイントを獲得できる周回があるということになります。なお、他の選手を周回遅れにした選手には、20点のポイントが加算されます。



自転車競技の常として、最も大きい走行抵抗は、空気抵抗です。つまり単独、先頭で走り続けるのは、とてもエネルギーを使い大きく疲労します。

ですから、ポイントが稼げる10周目ごとまでには、選手たちはできるだけ前を走らないよう位置取りを互いに牽制し合います。そして、10周目ごとに順位獲得を目指してスプリント。ポイントに絡めそうにない位置にいた場合には、体力を温存しながら、次のポイントを狙うといった戦略を取ります。



レース序盤から、一丸は目立って動きます。最初2回のポイントは見逃しましたが、3回め、そして6回目のポイントでは、一丸ならではの持ち味であるスピードを活かし、後ろからまくり上げる形で1位を獲得。その速さと気概に観客は湧きます。我々も湧きました。



ただそのあとから、見ていてもわかるぐらい、周りの選手たちは一丸をマークします。ポイント周回が近くなるにつれ、一丸が前を走る状況が増えていきます。

こういった多人数でのレース系種目であるポイントレースの経験を、一丸はそう多く積んでいるわけではありません。さらにがっちりマークされ前に出され、一丸の脚は疲労を重ねていきます。

後半中盤までポイントでトップに立っていた一丸ですが、そういった状況で一丸はポイントを稼ぐことができず、その好機を付いた他の選手達が確実にポイントを重ね、2回のポイント周回を残したところで、一丸を含む4人の選手(下写真では3名ですが)が12ポイントで同点1位。勝負の行方は、最後までわかりません。



「後半は、本当にきつかったです。調子は良く走りも良かったんですが、ボクの課題でもある後半のスタミナ不足が、顕著に現れたという感じです。。。」

と一丸は後に語りましたが、その言葉通りに、そこからの一丸はいいところを見せられません。結果、他の3選手がポイントを稼ぎ、最終周回で、今村駿介選手(中央大学)がトップでゴールし5ポイント獲得、逆転優勝を果たしたなか、一丸は4位という結果に終わりました。

「なんとか11回めのポイントを獲ろうと狙っていたんですが、場所取りが後ろ過ぎて間に合いませんでした。。。そこで脚を使ってしまい、その後はとにかくキツかったです。でも、力を出し惜しみせずに、前半は狙っていたところでポイントを取れたので、苦手だったポイントレースも、周りを見ながら走れるようになってきたのかなとは思います。とは言え、まだ課題だらけです。明日からの飯島コーチのカミナリが怖いです。。。」



という一丸。そこで飯島コーチに今回の一丸の印象を聞いてみたところ、「全然ダメです!」と満面の笑みで答えてくれました。4位という結果は残念でしたが、このレースでの一丸は確実に、会場を盛り上げる走りでした。

*男子エリート ポイントレース決勝(30km)
1 今村駿介 中央大学 17ポイント
2 小林泰正 日本体育大学 16ポイント
3 渡邊翔太郎 岐阜県 14ポイント
4 一丸尚伍 ブリヂストン アンカー サイクリングチーム 12ポイント

*マディソン

そして一丸はこの日、マディソンにも出場しました。これは、先のポイントレースを2名のチームで行うもの。2人のチームは同時にトラック上にいるのですが、レースとして走るのは、そのうち1人。走っている途中、チームメートにタッチすれば、そのレースとしての走りを交代できるという、プロレスのタッグマッチみたいな競技です。公式プログラムには、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで人気のあったことからその名が付いた、とあります。

そのタッチするときの動作が興味深い。スピードを落とさず、更に加速させるために、走っていた選手は交代する選手の手を掴んで、ぐいいいいーんと投げ、加速させます。この勢いはなかなかにすごく、選手はあっという間にトップスピードに乗ります。このチームでの加速をうまく使えば、ポイント周回での順位獲得に有利にもなります。アメリカで人気があったというのもなんとなく納得です。



このレースに一丸は、チーム大分として出場します。ブリヂストン アンカー サイクリングチームには、現在一丸しかトラック出場選手がいないため、高校時代を過ごした大分の選抜チームとしての出場となります。ジャージはいつもの白+赤ではなく、ブルーにピンクと見慣れないもの。加えて一丸、マディソンに出場するのはこれが初めてです。周回は60周、ポイントは15周ごとに獲得できます。



一丸と組むのは黒枝咲哉選手。黒枝選手は、一丸の高校の同級生であり現在は愛三工業レーシングチームのプロ選手、黒枝士揮選手の弟です。

弟といえば、今回最大のライバルと目される実業団チームの一員、寺崎浩平は、昨年惜しまれつつチームを離脱した元ブリヂストン アンカーチーム員、寺崎武郎選手の弟です。



レースは一丸たちチームに有利に進みます。チームメイトの黒枝と、途中リズムと呼吸が合わず戸惑った場面もあったものの、それでも黒枝はポイント周回では一丸をしっかり投げ、一丸は応えます。1着こそなかったものの、2位、2位、3位と着実に重ねます。最終周回を迎えるまでに獲得したのは10点。トップですが群馬チームと同点。実業団チームも優勝圏内にいて、最終回で1位を獲得しなければ、大分チームの優勝の可能性は低くなります。

迎えた最終周回。先頭を走るのは実業団チーム。このままゴールすると優勝は彼らのものに。力の限り走り切った黒枝は、一丸の腕を掴み、ぐいいんと投げます! 一丸は、その加速と自慢のスピード脚で、前を走る実業団チームを追います。1位になれば、優勝確定です。一丸は挿せるのか!下の動画にて、その模様をご覧ください。


と、残念ながらあと一息、というとこで2位。優勝は実業団チームとなりました。

今大会で初めて登った表彰台。しかもいつものブリヂストン アンカーのチームジャージでないところも、なんというか、ちと残念です。

しかし今日の一丸、欲しかった結果こそ残せませんでしたが、走りは確実に輝いていました。全日本選手権という大舞台といった意味では残念でしたが、清々しい一日でした。一番かっこ良かったけれども、イイとこなし。まあこれも一丸のキャラクターなのかもしれません。



*男子マディソン 決勝(25km)
1 新村穂、寺崎浩平  13ポイント
2 一丸尚伍、黒枝咲哉 13ポイント
3 小林泰正、倉林巧和 11ポイント


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