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16/07/07

【MTB2016世界選手権】平野星矢が出場、沢田時は練習中に怪我

- - MTBでのオリンピックイヤーは、世界選手権が前倒しで行われることが多いです。今年もその例に漏れず、8月のリオ五輪を前に、MTB世界選手権がチェコ・ノヴェームニェスト(Nové Město)にて行われました。

ブリヂストン アンカー MTBチーム監督、小林からレポートが届きました。


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- 2016マウンテンバイク世界選手権チェコ大会が6月28日〜7月3日に開催された。アンカーからはエリートに平野星矢選手、U23に沢田時選手が日本代表として参加した。



ーー2016全日本選手権、XCO参加選手


ここノヴェームニュストは、ワールドカップでよく知られた会場。地元の英雄ヤロスラフ・クルハビー選手(チェコ)の顔が世界選手権のバナー、ポスターの全面を飾る。冬季はクロスカントリースキーで有名なこの場所も、夏季は長野と北海道に似る静かな田舎街。



しかし、やはり世界選手権。会場を埋め尽くす観客数は日本のどのレースでも比較にならない。全てのコース脇に応援の姿がある。 頬にチェコの国旗を書いてラッパを吹く親子。巨体なカウベルと国旗。刃先のないチェーンソーを山の中で煽るエンジン音男。1m近くある帽子。水着の女性。トランペットに太鼓。 何もかもが興奮したような雰囲気は選手のモチベーションを引き上げる。



アンカーチームはワールドカップやUCI レースを転戦し、海外は慣れているが、世界選手権の独特な空気はやはり違う。意識しなくとも気持ちは高揚し、走りに熱が入る。 そんな中、飯山での合宿からチェコまでのトレーニングプロセスを順調にこなしてきた沢田選手は、過去最高と自ら語るほど絶好調な状態で公式練習日を迎えた。



ーー平野星矢選手(左)、沢田時選手(右)


しかし、ここで不幸な事故が起きてしまう。ジャンプセクションでセカンドヒルにバイクをヒットさせて激しく転倒。結果、肩と肘を骨折してしまいDNSで緊急帰国となった。

一方、平野選手は日に日に体調が良くなり、経験豊富なベテランらしい仕上がりでインスペクションも安定と攻めのバランスの良い走りでこなしていった。練習では積極的なラインどりを試している姿にどれだけ前に食い込めるかに期待が高まる。



そして迎えたエリート男子決勝。現地時間15時定刻。昨年度チャンピオンのニノ・シューター選手(スイス)を頭にスーパースターが前列を埋めていく。日本人では山本幸平選手が3列目の好位置。平野選手は最後尾に近い後方のグリッドスタート。沢田選手が怪我で帰国した悔しい思いを打ち消すような強い空気感。

号砲一発。世界一のスピードと迫力でファーストラップが進む。平野選手は後方ながら落車なくコースイン。スタートループ+6周回のサバイバルレースが始まった。

先頭パックは地元の割れるような大声援を受けるクルハビー、王者ニノなど有力選手が順当に形成。ジュリアン・アブサロン選手がそれを少々後ろから追いかける展開。 1周回目から13分台とハイスピードでスリリングな走りに観客も沸く。 山本幸平選手(日本)はスタートからの反応に遅れ40〜50番パックで前を追う形に。日本とアジアで無敵な彼をもってしても、先頭パックと1周1分以上のラップ差。この速さでレースがコントロールされた。



平野選手はあっという間に縦長になる集団の中で一人ずつ抜いていく。XR 9が強豪国のメジャーブランドを抜き去る姿は爽快。しかし、そう簡単に先頭パックとの距離が縮む訳ではないことも知っている。非常に落ち着いた良い状態で確実に自分の走りに集中出来ていた。

しかし、ここでも不幸が待っていた。スタートループが終わり、正規ラップ2周回目に入り順調にポジションアップしていた矢先、ハードなロックセクションでシューズがペダルから外れ、それをリカバリーした際にサドルを完全に破損し失ってしまう。



だがDNFの考えはない。テクニカルフィードまでサドルなしで走ることを指示。(シマノプロ・タルシスのシートポストが無事であることを信じ、スペアサドルを準備) フィードに平野選手が飛び込んでくる。同時に平野選手に遅れていた中原選手がパスしていく。

サドル交換を迅速に完了し、リスタートからの猛追が始まった。中原選手ら前を走る選手からラップ20秒を奪い返す強い走りに多くのカメラが向けられた。しかし、ニノとクルハビー、そしてアブサロンの速いラップタイム、80%ルールによりレースから降ろされることになる。残念だがここは世界一を決める場所。勝者と敗者がはっきりする。



結果、優勝はニノ・シューター、平野選手は86位となった。 アンカーは、ジャパンチームに光を入れ、牽引していく責任がある。それを果たせなかった世界選手権チェコ大会。必ずやリベンジしたい。



最後に、日本から本当に沢山の応援を頂いたこと、支援頂いたことに深く感謝致します。 アンカーは今シーズン最大の目標である全日本選手権制覇を目指し、全力を尽くします。 応援を宜しくお願いいたします。

<ブリヂストン アンカー MTBチーム監督 小林輝紀>