contents

17/02/06

【CX 2017シクロクロス世界選】 沢田時 レポート

1月29日に行われた、2017年シクロクロス世界選手権。『日本最強』の自負と共に挑んだ沢田でしたが、ルクセンブルグの凍てつくコースの凄まじさに心がひるみ、落車してリタイア。幸いにも軽い打撲で済みましたが、沢田は今年の世界選手権に対し、次のように述べています。


『結果は2周目で落車してリタイアと非常に残念なものになってしまいました。
不運による落車でなく、自分の実力、準備不足が招いた落車です。
世界に挑むということがどういうことなのか、今回の遠征で少し分かった気がします。
国内での自分は去年より強くなりましたが、世界で走るには甘いところだらけでした。
もっとできることがあったと思うと本当にくやしいです』

沢田からのレポートです。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

(Following photos: 2017 Kei Tsuji/TDWsport)


大会名: UCI Cyclo-cross World Championships
開催日:   2017年1月29日
開催場所:  ルクセンブルグ・Bieles
カテゴリー: エリート
リザルト: DNF
天 候:   曇り
コースコンディション: マッド

いよいよ迎えたシクロクロス世界選手権。
会場となったルクセンブルグのコースは過去に世界戦やワールドカップといったレースが開催されたことがないために参考となる映像がなく、日本にいる間は全くコースについてのイメージが湧いていなかった。ただなんとなく、普段頻繁にシクロクロスが開催されるベルギーやオランダでのコースに比べれば難易度は低くなるのではないかと想像していた。少なくとも去年の世界戦で走ったゾルダーのコースよりも難しいことはないはず。しかしレース3日前に初めてコースに入り、その楽観的な希望は完全に裏切られることになる。

木曜、金曜の試走の段階ではコースは完全に雪と氷に覆われており、どこを走っても滑るといった状況。上手い選手はタイヤを滑らせながらも曲がっていくのだが、アイスバーンの路面に慣れていない自分にとっては恐怖しか感じない路面状況であった。凍りついたダウンヒル区間も非常に急斜度で、転ばないように走るのだけで精一杯の状況。とにかく試走を繰り返して凍った路面に慣れるという手もあったが、凍てつくような寒さの中で長時間試走をするのは身体への負担が大きすぎることと、レースに悪影響が出るようなひどい落車をしたくなかったこともあり、試走の時間は最低限に止めた。


幸い週末は気温が上がって路面が溶け出したために、雪と氷はなくなりマッドコンディションへと変わっていった。とは言っても表面の路面が溶けただけで地下は凍っているため、予想もつかない場所でいきなり滑る。しかもこれまでは地下に埋まって隠れていた鋭角の石がコース上に出現し、あまりにもパンクのリスクが高いためにタイヤのトラクションや乗り心地を無視してでも空気圧を上げるしかない。正直コースに関しては不安しか感じなかったが、レースで戦うのはコースでなく周りの選手であることを忘れてはいけない。


ほぼ最後尾の位置からスタート。最初のコーナーで早速落車が起きるが、うまく切り抜けることができた。最も落車のリスクが高い下りのキャンバーも上手くバランスをとって走ることができた。試走の時はどうしてもリスクを恐れてブレーキをかけてしまっていたが、レースペースである程度は突っ込んでいった方がタイヤのグリップを得られることがよく分かった。とにかく落車している選手が多いため、大きなミスなく走り続けるだけでも順位は上がっていく。2周目のピットで40番手ほどの位置だと教えてもらう。80名弱の出走数の中で決して悪くはないポジション。目標である30番台も捉えられている。

しかしその直後。激下りの直後のコーナーでタイヤを滑らせて転倒してしまった。すぐにバイクに跨ったが、落車の衝撃でバイクを破損してしまって乗車は不可能な状況。しかも右膝を強く打ち付けたために激しい痛みがあり、バイクを担いでランニングすることもできなかった。悔しいがその場でリタイアする選択をし、僕のエリート1年目の世界戦はあっけなく終わってしまった。

世界戦までにもっとできた準備はなかったのか。そのことばかりが頭を巡る。今年の世界戦に関しては情報を手に入れにくかったのは事実だが、気温が低くて凍結した路面になることや、コース上にキャンバーを含む激下りが何箇所もあることはコースプロフィールを見れば予想できたこと。フランスチームは12月に同じ会場で試走を行なっているし、ベルギーでは何人ものスタッフが公式練習の始まる前からコースの下見に来ていたようだ。僕は彼らとは実力、経験ともに劣っているのに、このレースに対する特別な準備という点でも負けている。

日本で目標としているレースを走る時は、そのコースに合わせた練習や準備やするのが当たり前であるのに、世界に挑む時はその当たり前のことができていない。その当たり前のことをきちんとやっていけば、世界のどんなレベルのレースでも完走は当たり前、あるいはもっと先のレベルにいけるかもしれない。自分にやれることはまだまだあると感じた世界選手権でした。

このルクセンブルクを始まりだったと言えるように、さらに進化していきたいです。
そしてまたこの舞台に戻ってきます。

日本からの応援、本当にありがとうございました。

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク     ANCHOR CX6(http://www.anchor-bikes.com)

コンポーネンツ SHIMANO DURA-ACE Di2 9070シリーズ
シューズ    SHIMANO S-PHYRE XC9

ヘルメット   Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ    Kabuto SFG-1(ブラックレッド)

サングラス   OAKLEY Jawbreaker(PRIZM ROAD)

サプリメント  SAVAS(株式会社明治)
         レース前:ピットインエネルギージェル
              栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
              SAVASスポーツウォーター 
         レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド  HALO グラフィック プルオーバータイプ(Polka dot Black)