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17/04/01

【ツール・ド・とちぎ】02ステージ:砂を噛むような一日

レース名 : ツール・ド・とちぎ 第2ステージ
カテゴリー : UCI アジアツアー 2.2
開催地 : 茂木町〜那須町
開催日 : 2017年4月1日(土)
距離 : 99.3m
平均時速:41.4km/h

All photos: Hideaki Takagi


(左:ダミアン・モニエ、右:水谷監督)


どうにも歯車が噛み合わない日、というのがあるものです。ツール・ド・とちぎ、第2ステージの今日は、まさにそれを体現してしまった一日でした。

今日のBGTことブリヂストン アンカー サイクリングチームは、それぞれのチーム員が、今目の前にある状況を好転させ、成績につなげようと全力を尽くしました。

しかし結果から言えば、選手ひとりひとりの尽力は、チームの結果へと、つなげられませんでした。努力が空回りした、本当に砂を噛むような一日となりました。



(左:初山翔)


スタートとゴールが異なる『ラインレース』であるツール・ド・とちぎ。今日の100kmほどのコースは、標高の高いゴールへと向かっての登り基調。しかし全体のペースは、むしろ高く、レーススタート後たった20分ほどで、調子の悪い選手たちが振り落とされていくほどとなりました。

最初の登り区間で、初山翔が早々にアタックを仕掛けます。しかし事前のコース見込みと実際の状況とが異なっており、本当に勝負がかかった本格的な登りは、その直後だったのです。本勝負の直前で初山の逃げは捉えられ、そこから集団は登りでの戦いを始めました。



(鈴木龍)


初山が見損じた登りを、鈴木龍は集団前方で冷静に対処します。ですが登りきった鈴木はそこで、スローパンク(ゆっくりと空気が抜けていくパンク)していたことに気が付きます。

ダミアン・モニエが後輪を鈴木に差し出し、遅れてきた初山がダミアンと共に鈴木を前方のメイン集団まで引き戻しますが、そのときにはすでに、先頭12名の逃げグループが形成されていました。

この12名の逃げには、各チームのエース級選手とそのサポートが入っています。典型的な勝ち逃げグループです。もちろんBGTもこの動きには対応しましたが、先の鈴木のパンクへの対応のため、入れたのは石橋学と大久保陣の2人。



(右:西薗良太)


しかし彼ら2人、本来の役割は、総合優勝を狙う鈴木と西薗良太のアシストです。総合優勝を狙って走る逃げグループは、全力でスピードを上げたがります。石橋と大久保はその速度を落とすべく立ち回り、後方の鈴木、西薗を待ち続けますが、後方集団はなかなか上がりません。先頭グループのスピードはますます上がります。



(先頭:ダミアン・モニエ)


集団までやっと戻った鈴木でしたが、現状は、逃げグループまでは2分以上の差。そこにトップ選手を載せるチームは、集団牽引には当然協力しません。総合を狙う西薗はもちろん、昨今はチーム全体の牽引力を担っているダミアンが尽力し集団を上げていこうとしますが、叶いません。

鈴木はここで、今日はゲームオーバーであることを認識します。



(石橋学)


そんな状況を感じ取った石橋と大久保は、ステージ勝利に向けた動きに切り替えます。劇的に上がったペース、勝負を狙うスプリンター大久保の脚を残すべく石橋も動きますが、つらつらと続いていく登り区間に、大久保の脚は少しずつ削られていきます。

最後の500mは、下りから上りにかけてのスプリント。大久保を守り続けた石橋は、最後の上り返しに向けて大久保を引き、3番手ほどのいい位置に大久保を送り込みます。

そしてここからスプリントが開始、しかし上りきったところまでのスプリントを目していた大久保は、その後に実は残っていた50m弱の平坦区間で脚を使い切り失速、残念ながら結果5位となりました。



(右後方:大久保陣)


今日のブリヂストン アンカー サイクリングチームは、個々の力は強く的確で、それぞれに目の前にあるものに対処できました。それを最終的に、大久保の優勝に繋げられていれば、それは「素晴らしいレース展開」となっていたのでしょう。

しかし、「タラレバ」は、レースでの言葉ではありません。結果こそがその日の評価。必死に回した歯車が、空回りしてしまったような一日でした。

しかし、そんな日もあります。反対に、何をやってもすべてがうまくいく日もあります。今年のブリヂストン アンカー サイクリングチームは、そんな時の波に乗るのが上手いのです。それにいい男揃いのBGTにはきっと、勝利の女神はひいきしてくれるでしょう。

なんて思いつつ、次の最終ステージを待つのです。

【リザルト】
ツール・ド・とちぎ 第2ステージ
2017/4/1 2st Stage Motegi - Nasu

1 マラル=エルデネ・バトムンフ(トレンガヌ・サイクリング・チーム) 2:23:43
2 ベンジャミン・ヒル (アタッキ・チーム・グスト) +0:00
3 ジャイ・クロフォード (キナンサイクリングチーム) +0:00
5 大久保陣 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +0:00
11 石橋学 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +0:11
18 鈴木龍 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +1:05
36 西薗良太 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +1:05
55 初山翔 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +2:23
61 ダミアン・モニエ (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +2:23

総合成績 GC 第2ステージ後
1 ベンジャミン・ヒル (アタッキ・チーム・グスト) 4:39:32
2 ジャイ・クロフォード (キナンサイクリングチーム) +0:12
3 鈴木譲 (宇都宮ブリッツェン) +0:18
7 鈴木龍 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +1:24
11 西薗良太 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +1:24
17 大久保陣 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +3:17
21 石橋学 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +3:20
45 初山翔 (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +4:14
63 ダミアン・モニエ (ブリヂストン アンカー サイクリングチーム) +5:40

チーム総合成績
1 キナンサイクリングチーム 14:02:33
5 ブリヂストン アンカー サイクリングチーム +1:06