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17/06/24

【2017年全日本選手権】タイムトライアル:西薗、2連覇!

レース名 : 第21回 全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会
開催期日 : 2017年6月23日(金)
開催地 : 青森県 階上町
距離 : 39km=13km x 3周
ブリヂストン アンカー サイクリングチーム 参加選手:
石橋学、西薗良太

photos: Kei TSUJI



「昨日までがチャンピオンで、今日は違うんだと考えて走りました。チャレンジャーとして、立ち向かった気分です」(西薗良太)


2016年度の全日本タイムトライアルチャンピオンであった西薗良太は、2017年6月23日の全日本タイムトライアル選手権で再び勝利し、2017年度も全日本チャンピオンの栄冠を守りきりました。BGTからは石橋学も出場し、9位を獲得しています。



(石橋学)



(西薗良太)


今回の会場となった青森県階上町のコースは、アップダウンがありつつも平均速度が45kmを超えるハイスピードな、13kmを3周回する39km。

「下りでスピードが乗る重量級選手が速いんです」と分析した西薗は体重62kgと軽め。それでも「多くの準備を重ね、それをひとつひとつ着実にこなした」ことで連覇という最高の結果を掴みました。

詳細を聞くとそれは、何かにおいて上を目指すものが常に心がけていたい、ごく当たり前のことを、言葉通りに積み重ねた勝利でした。そしてその始まりとなったのは、今年3月、バーレーンで行われたアジア選手権、そこでの「不甲斐ない結果」だったのです。勝利を振り返る西薗の言葉を記します。

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今回の全日本選手権の始まりは、アジア選手権での敗北です。

あの時は脱水症状を起したりなど、本番中に自滅した面もありましたが、それに加えて大きかったのが、合っていなかったポジションで無理に乗って、疲労が溜まり思うように練習できなかったこと。2017年になって、シューズですとか細かな機材の変更があり、そこを無理に押し通したのがまずかった。


まずはこれをゼロベースで見直そうということで、それまでに造ったポジションを一回全部壊し、無理なく、かつ空気抵抗も少ないポジションを探しました。3月のアジア選手権での敗北のあと、これを4月、5月をかけて、トレーナーの人たちとコツコツやっていたという感じです。要は、去年勝ったポジションを再び出す、ということでしたね。



そしてコースのシミュレーションです。(青森が地元である)石橋学から地形やコースの特徴を聞き、実際に走った時のガーミンのデータをもらい、その地形データをいろいろシミュレーションしていきました。


コースの特徴はアップダウンだと思ったので、その高低差をこなしながらタイムを出せるタイムトライアルの走りを求めて、練習をやり込みました。しかも50分という長い走行時間。最初から最後まで全開で踏み倒すわけにはいかず、抜くところは抜き、踏むところでは踏みタイムを稼ぐという戦略的な走りが求められます。



その50分という時間で、アップダウンのあるコースをシミュレートして、走り込みました。僕の地元(鹿児島)に、いい練習コースがあって、桜島一周なんですけどね。桜島を一周するとちょうど50分ぐらいで、しかもアップダウンはさらに、遥かに大きい。そこで50分という時間にしっかり慣れよう、ってことで本番を意識した練習をしました。

そういうことを積み重ねつつ、アゼルバイジャンを前哨戦として、ツアー・オブ・ジャパン、ツールド熊野、そして今日の全日本選手権と、ここまでしっかり調子が維持できるコンディションニングを考えてやってきました。それが今日の結果に繋がったんだと。



今日のレースは無線でタイムを聞きながら走っていました。自分でも突っ込みすぎる(速すぎる)とマズイなと思っていたんですが、それでも前半は、思っていた以上に他の選手と接戦、というか似たようなタイムだったので、「これは引き離すのは無理だな」と思いました。

大柄で体重のある選手は下り区間でスピードが乗って有利なのですが、僕はどちらかというと軽量級です。そのため、とにかく空気抵抗を減らす姿勢を意識して行い、なるべく力を節約して彼らに引き離されないように、その後の登り区間でタイムを稼いでいくことにしました。

スピードの急激なアップダウンを避け、滑らかにペースを上げながら、タイムを稼ぐ走りを心がけました。どうしても均一に踏みたくなるんですけど、差をつけるところと、そこをキープするところ、守るところと攻めるところを使い分けて、1、2周を終えました。



そこまでで、10秒ぐらいのタイム差を稼げたんですが、それでも自分に余裕はない。去年のレースでは最終周回に入るまでに30秒以上のマージンがあったので、相当に安全運転する余裕はあったんですが、今回は最後まで攻め続けなければいけない。そして切り札としては、最後の上り区間で一気に稼ぐというのがありました。多分向こうも一杯一杯でしょうし、その最後の上りで崩壊してくれるだろうという見込みもありましたし。

最終周回に入って、佐野選手との差が4秒にまで縮まった、というのを聞いて、最終周ですし、下り区間ではとにかく踏みたい。踏みたくてしょうがない。でもそのハヤる心をなんとか抑えて、これまで通りのペーシングをとにかく守っていく。そんなときに無線から監督の「上げろ上げろ!」という声が聞こえてくる。



「うるせー! ここで上げたら終わりなんだ!」って心で叫んで(笑)。残り半周までとにかく我慢してそこから一気に踏んで、なんとか踏み倒して、最後に10秒の差を付けて、なんとか優勝することができました。限られた自分の力を活かすため、落ち着いてペース配分できたのが、今回の勝因だと思います。

1人で走る孤独な競技、タイムトライアルですが、無線があって、タイム差とかの情報が手に入れば、それを利用しますし。やっぱり最後は人間と戦っているんですよね。力的には、他の選手と変わらなかったかもしれませんが、こういった細かい情報のこなし方で、最終的に10秒という差がついたんだなと思います。



【リザルト】 2017/6/23 全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会

1 西薗良太(ブリヂストン アンカー サイクリングチーム)49.39.76
2 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)+0:15.28
3 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)+0:16.65
9 石橋学(ブリヂストン アンカー サイクリングチーム)+1:32.85