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18/10/12

【全日本選手権オムニアム】窪木が優勝、4位までをチームブリヂストンが独占


(2位橋本、1位窪木、3位近谷)photo: MS


レース名:2018全日本自転車競技選手権大会オムニアム
開催日:2018年10月6〜7日
開催地:静岡県伊豆市 伊豆ベロドローム
チーム ブリヂストン サイクリング 出場選手:
一丸尚伍、窪木一茂、沢田桂太郎、近谷涼、橋本英也、原田裕成

photo: Midori SHIMIZU(MS) / Tomohiro FUKAYA (TF) / Hifumi Hashimoto (HH)



(近谷)photo: MS

東京2020オリンピック種目であるトラック競技オムニアム種目が同大会の会場となる伊豆ベロドロームで開催、チーム ブリヂストン サイクリングの窪木一茂が優勝し、2位以下を橋本英也、近谷涼、沢田桂太郎の順で4位までチームが独占しました。窪木はこれで、今年通算6つ目の全日本選手権タイトル獲得です。

オムニアムは4つの種目を競い、その総合得点にて順位を争う競技。4種目のすべてが多人数が同時に出走するゲーム性の高い種目群で、それぞれの種目も競技時間も距離も長めです。そのため、獲得ポイントと自身の順位とを冷静に計算し、絶妙のタイミングと判断で走りを仕掛けポイントを獲得できる勝負勘が重要です。観客として見ていても、興奮する瞬間が多い種目と言えます。



(原田)photo: MS


今年はこの大会までに5つの全日本チャンピオンを獲得している窪木は、この種目でリオ2016オリンピックに出場しています。またその出場権をめぐり窪木と争ったのが、昨年の当種目全日本チャンプである橋本。橋本に次いで2位だった近谷も、優勝を狙います。

6日(土)には予選が行われ、7日(日)決勝の上位リーグには、一丸、窪木、沢田、近谷、橋本の5名が進出しました。



photo: MS


●第1種目 スクラッチ 10km
参加選手が同時にスタート、ゴール先着順に高ポイントを獲得できる明解なレースです。もっとも大切となるのは最終局面のため、序盤から中盤まで選手たちは走りながらの牽制を重ねましたが、ラスト数周の終盤に渡辺翔太郎選手(愛三工業レーシングチーム)が一人飛び出し、独走での先着ゴールを狙います。その後を追う形で、チームブリヂストンの3名が連なりながら最終2周にて渡辺選手を追い詰めましたが届かず、窪木2位、橋本3位、沢田5位という上位結果となりました。

1 渡辺翔太郎(愛三工業レーシングチーム)
2 窪木一茂(チーム ブリヂストン サイクリング)
3 橋本英也(チーム ブリヂストン サイクリング)
5 沢田桂太郎(チーム ブリヂストン サイクリング)
9 一丸尚伍(チーム ブリヂストン サイクリング)
10 近谷涼(チーム ブリヂストン サイクリング)


photo: MS


photo: MS


●第2種目 テンポレース 10km
テンポレースは、2周目以降、毎周回に先頭でゴールした選手にのみ1ポイントが付く種目です。「テンポレースが一番好きだし、得意なんですよね」と言う橋本。初周回に沢田が1位通過した後は、その言葉通りに序盤から仕掛け、トラック半周以上にリードを広げました。そこに窪木が追いつき、序盤から中盤までは2人が交互にポイントを稼ぐ展開。このまま2人がレースを独占してしまうかと思いきや、中盤から2人は集団に戻ります。


後に近谷がトップ通過でポイントを獲得しますが、後半は、草場啓吾選手(日本大学)がトップをひた走る展開。最終周回で沢田がポイントを重ねましたが、種目順位では、草場選手が10ポイント、橋本と窪木は8ポイントと2、3位となりました。とはいえ、総合順位では橋本と窪木は同得点で、1、2位を争います。



(一丸) photo: TF


1 草場啓吾(日本大学)10pts
2 橋本英也(チーム ブリヂストン サイクリング)8pts
3 窪木一茂(チーム ブリヂストン サイクリング)8pts
5 沢田桂太郎(チーム ブリヂストン サイクリング)2pts
6 近谷涼(チーム ブリヂストン サイクリング)2pts
18 一丸尚伍(チーム ブリヂストン サイクリング)0pts



photo: MS


●第3種目 エリミネーション
同時にスタートした選手たち、2周回ごとに最後尾の選手が一人ずつレースを降ろされる(エリミネートされる)種目、エリミネーション。レースを見ているだけで分かる明解な、かつ興奮する種目です。最後の1人になるまでレースは行われます。つまり残るほどに距離が増えていくレース。トラック競技とはいえ、絶大な体力を必要とするレースです。

エリミネーションは、後輪がゴールラインを抜けるまで(後輪の順位で決まります)気を抜けないレースです。このレースを得意とする窪木も終盤、残り8名となったときに危険な局面を迎えましたが、このときは結果的に一丸が窪木を守る形に。そしてチーム員4名に2チーム2名という状況で残り6周に入りました。



(左から:沢田、窪木、近谷)photo: MS


この周回で橋本が、ゴール直前に痛恨のミス。先にゴールをくぐりましたが、後方選手に後輪差で抜かれエリミネート。残る4周を近谷がリードし、草場選手を振り切った時点で、チーム員3名による1位争いに。その周回前後にて力を使った近谷は、次の周回で失速し3位に。



(前:窪木、後:沢田)photo: MS


窪木と沢田の一騎打ちとなり、残す2周回、半周を過ぎた時点で窪木が仕掛け、沢田との差を広げていきます。沢田はそれを全力で追いますが届かず、ラスト半周にて失速、窪木が種目1位となりました。これで総合順位も窪木がトップとなり、2位の橋本に10ポイントの差を保ちながら、最終種目のポイントレースを迎えます。

1 窪木一茂
2 沢田桂太郎
3 近谷涼
6 橋本英也
9 一丸尚伍



(左:橋本、一丸)


●最終種目 ポイントレース 25km
10周回ごとにポイントを獲得できる周回が巡ってくるポイントレース。上位4名が 1位は5pts、2位が3pts、3位2pts, 1位pt を稼げ、最終周回は獲得ポイントが2倍となります。また、集団を周回遅れにすると20ptsを得られるため、上位選手には逆転のチャンスがある、判断と脚力が必要になる、まさにゲーム性の高い種目です。



(左;窪木、中央;今村駿介、右;近谷)photo: TF


総合1、2位を争う窪木と橋本が、集団前方で積極的なレースを行います。窪木に10ポイントの差がある橋本は、特にここでの挽回を狙いますが窪木も譲らず、橋本が1位を取る周回では着実に後ろに位置し、さらに途中周回でも着実に2、3位に入るなど、余力を残しながらの先頭での展開を見せます。

ここで気になるのが3位争い。トップ2人とポイントが離れているなかで、続く沢田がなかなかポイントを取れず、3位保持がぐらつきかけたところに、橋本、窪木、近谷の3名を含む6選手が一気に前に出て、他選手を周回遅れに。6名が一気に20ポイントを稼ぎ、トップ2はより安泰に、3位には近谷が浮上します。



(橋本、窪木、沢田) photo: TF


チーム3名、すなわち上位3名はそのまま集団の中でも存在感を示し、最終周回では沢田がダメ押しでダブルポイントを獲得。チーム ブリヂストン サイクリングが、今日の目標だった表彰台の独占を実現、上位4位までもチームが獲得しました。

優勝の窪木は、これで今年6つ目の全日本タイトル獲得。先のJプロツアーロードレースでのシリーズチャンプ獲得も含め、タイトル数で言えば7つのチャンピオンを獲得しています。上位3選手のコメントです。



(窪木、沢田)photo: TF


「今日は、地元三島でお世話になっている方々が応援に来てくれました。せっかくの休みをわざわざ使って見に来てくれた前で、優勝を見せることができて嬉しいです。そしてチームとしてもダントツの走りで、1234(ワンツースリーフォー)を見せられた。このチームワークの良さを、なおさら嬉しく思います」(窪木)



(橋本) photo: HH

「エリミネーションでの結果が、今日のターニングポイントだったと思います。ギリギリのところだったので、気を抜かずしっかりと抑えておけば、獲得ポイントも流れも変わっていたのでは、と思います。そして今日は優勝した窪木さんがすごく強かった。同じチーム員として尊敬しています」(橋本)



(近谷)photo: MS


「自分としては、今回のレースは調子が悪く、あまり踏めないと感じていました。なので気負いせず動けるところを動いて、と思い走りましたが、最後まで諦めずに上を目指していった結果、昨年に続いての表彰台、うれしく感じています。素晴らしい選手たちがチームにいて、刺激しあって上位を獲れたのを誇りに思いますし、今後もこうやって切磋琢磨して、東京2020オリンピックまで突っ走っていければと思います」(近谷)

【リザルト】2018/10/07 全日本自転車競技選手権 オムニアム
1 窪木一茂 151pts
2 橋本英也 141pts
3 近谷涼 113pts
4 沢田桂太郎 111pts
12 一丸尚伍 66pts



photo: MS