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16/02/08

初山翔と椎名林檎さんとタッチ

2016年の初山翔、 シーズン開幕を2月18日のツールドフィリピンで迎えます。2015年のシーズン後半は、UCIレースのツールドシンカラ第9ステージで優勝。

(その詳細はこちらhttp://shostopper.info/?eid=126

ジャパンカップではスプリント賞、山岳賞を獲るなど大活躍。シーズンオフの間に初山は、どのように開幕への準備をしているのでしょう。話を聞きました。

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2015 6月 全日本選手権ロード


ーーオフはどんな感じに?

休みはそんなに長くなかったんですけどね。オフは2週間ぐらい。 休むときはしっかり休んで、12月になってすぐに準備を初めて、開幕まで1ヶ月の今、準備段階ですね。

去年はUCIレースで優勝できましたし、その流れを今年も続けられるように、コツコツと積み上げ、少しずつでも上に上がっていくしかないかなと。


2015 6月 全日本選手権ロード


ーー去年後半の調子の良さを振り返ると?

去年は全日本選手権が終わってから、レースが2ヶ月ぐらい空いたんです。その期間に、ちゃんと休んで、その後ちゃんと練習をモクモクと重ねて、その間に準備出来たのが良かったんだなと。ちゃんと練習して、ちゃんと準備すれば、ちゃんと走れるんですね。レースをずって走っていなくて、走りたいっていうモチベーションが上がったのもあったと思います。


2015年10月 ジャパンカップ


ーー今年照準を合わせているのは?

TOJ、全日本選手権、ジャパンカップは僕の中でも大事なレースです。それ以外にも去年のようにUCIレースで優勝がしたいなと思っています。自分にチャンスのありそうなレースで勝てるように頑張りたいと思います。



2015 10月 ジャパンカップ


ーー休み中はなにしてました?

そうですね、なにしてたかな……、 結局なんにもしてないです。でも椎名林檎のライブを名古屋まで観に行きました。それが一番の息抜きですね。

椎名林檎さんは……もう10年ぐらいになりますね……。林檎さんに関しては息抜きとかないですね。

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ーーせっかくなので、自転車レースを始めたいきさつなど

競技を始めたのは高校2年の時です。その前はマウンテンバイクで山梨あたりの山を遊びで乗ってたんですけど、MTBの選手も練習はロードに乗るって聞いて、なんとなくロードかなと。でもその時はぜんぜん競技として、とかそういうつもりは全くなかったんですけど。



ーーそれでロードを買ってもらって乗り出したら強かった?

全然、真剣じゃなかったんですよ。ただ、あの、「タッチ」ってマンガがあるんですけど、あれを読んで。

高校1年のときにタッチを読んで、これだよな、とか思って。でも高校1年から野球初めて甲子園出場は無理ですよね、だったら自転車かな、と。であれば甲子園代わりにインターハイに出よう、ってなって。

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ただ、高校に自転車部がなかったんですよ。それで学校にお願いしたら僕一人だけ登録してくれるってことになって、そこからちゃんと『甲子園出るのを目標に』自転車競技を始めたんですよ。まず、目標はインターハイ出場だったんです。

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『タッチ』読んで感動した高校1年生の青い思い出。甲子園に行ってミナミにチュ! そんな不埒な気分で盛り上がって自転車競技を始めた高校生レーサー初山、果たしてインターハイに出場できるのでしょうか! 

初山主演の『実写版・弱虫ペダル』の続きは、cyclowired.jp 2011年の記事、22才だった5年前の初山のインタビューに書いてあります。ご一読を。

http://www.cyclowired.jp/?q=node/53498

 
16/02/04

2016 シクロクロス世界選手権/ベルギー 沢田 時 レポート

2016年1月31日に、ベルギー・ゾルダーにて、2016年シクロクロスの世界選手権が開催されました。ブリヂストン アンカー サイクリングチームからは、MTBチームの沢田 時が、U23クラスに出場。ジュニア時代から連続して全日本タイトルを獲得してきた沢田は今年、最後のU23クラスとして世界選へ挑戦です。

その詳細なレポートが、沢田より届きましたので、ここにご紹介します。シクロクロス選手とMTB選手との、オフロードでのライントレースの違いについて述べるくだりは、沢田の研究熱心な一面が垣間見れる文面となっています。

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2016 シクロクロス 世界選手権 U23クラス レポート by 沢田 時

大会名: UCI 2016シクロクロス世界選手権大会
開催日:   2016年1月31日
開催場所:  ベルギー・Heusden-Zolder
カテゴリー: U23
リザルト: 34位
天 候:   小雨
コースコンディション: ウェット


いよいよシクロクロス世界選手権の日を迎えた。


PHOTO: UCI公式ページより (c) Graham Watson
http://www.uci.ch/cyclo-cross/galleries/heusden-zolder-174782/#gallery-11


全日本を終えてからは照準を世界戦に備えて、ここまで準備を行なってきた。日本にいる時から体調は良く、モチベーションが高い状態を常にキープできている。

世界戦での10番台という目標は非常に高い設定ではあるが、達成できる自信はあった。前週のワールドカップのようにスタートから良い位置で展開できれば、順位をキープすることは可能なはず。時差ぼけも取れて、今回は脚への刺激もしっかりと入っているため、万全の調子で世界戦を戦えることが嬉しい。



Photo: (c) Makoto.AYANO / cyclowired.jp


ゾルダーのコースはF1のサーキットと林区間を利用した高速コースで、ロードレースのように大人数での集団となってレースが展開されていくことが多い。シクロクロスでは高速コースになるほどトップとのタイム差は開きにくいが、同時に順位を上げていくことも難しくなる。

後半の林区間が登り下り共に斜度があってテクニカルであるのだが、ここでミスを犯して集団から離れると、その後の長いアスファルトのサーキットを単独で追いかけることになって非常にキツイ展開となってしまう。


Photo: UCI公式ページより (c) Graham Watson
http://www.uci.ch/cyclo-cross/galleries/heusden-zolder-174782/#gallery-8


前半のハイスピードセクションは無理をせずに集団で我慢し、後半のテクニカルセクションで順位を上げていくのが最も賢い戦い方だと試走を通して感じた。

金曜の夜から土曜にかけて雨が降り続いたことでコースは泥区間が増え、どのセクションも油断ができない状況。特に立体交差の前後やコーナーの立ち上がりは轍が深くなっている箇所が多く、レース直前の試走時間でも世界のトップ選手たちのライン取りを観察しながら、ベストなライン取りを学んでいった。


Photo: UCI公式ページより (c) Graham Watson
http://www.uci.ch/cyclo-cross/galleries/heusden-zolder-174782/#gallery-3


シクロクロスという競技は自分より上のレベルの選手たちから学ぶことが非常に多く、ライン取りを真似するだけで驚くほどスムースに走れるようになることが多い。MTBのように世界のトップ選手だけが通れるような特別なラインというのはそれほど存在しないのだが、レース中にミスなく正確に最速ラインをトレースする能力に関しては、シクロクロスのトップ選手たちはずば抜けて高いように感じる。

レース前日は土砂降りの雨であったが、当日は曇り空に少し小雨がぱらつく程度に回復した。泥の影響で乗車できない区間は増えたが、それ以外は高速コースであることは変わらないためドライタイヤを選択。空気圧は全日本の時と同じ1.6barに合わせた。


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ワールドカップと同じ3列目からのスタート。おそらくゾルダーは世界で最もスタートダッシュのスピードが速いコースだ。アスファルトの直線はとても長く、軽めのギヤではあっという間に脚が回り切ってしまうため、スタート専用バイクとして48Tなどの大きなギヤを入れている選手もいるほど。ダート区間に入るまでに20位以内のポジションにつければ、目標達成の可能性はぐっと近づく。

当然スタートは今シーズン一番とも言えるほどに集中していた。しかし結果として僕は一番重要な場面であるスタートダッシュに失敗し、20人余りの選手に後ろから抜かれてしまう形でレースは始まった。この原因は分かっているので、レポートの後半に記したいと思う。


Photo: (c) Makoto.AYANO / cyclowired.jp

ダート区間に入る最初のコーナーは非常に滑りやすいため、どのカテゴリーでも必ず落車が発生する。自分は早めにバイクを降りていたので、このコーナーは上手く切り抜ける。数人は抜けたと思う。だが目の前にはたくさんの数の選手が見える。明らかに自分が目標としている位置に今の自分はいない。焦る暇もなく、ひたすら全力でペダルを踏む。

目の前には落車で遅れたベルギー、オランダといった強豪選手も見えるが、明らかに彼らの方が自分より焦っていて、ミスも多い。しかし圧倒的なパワーと自分には真似のできないラインを使って強引に前に上がっていく。僕には彼らほどのパワーとテクニックがなかったからこそ、スタートで出遅れることは絶対に許されなかったのだ。


だがレース中に起きるミスはすぐに忘れて、とにかく前向きな気持ちでレースを進めていくしかない。身体は良く動くので、気持ちは全く切れていない。しかし数人は抜けても大きく順位を上げることはできずに、30番台後半の順位で1周目を通過。

トップとのタイム差は大きくはなく、完走することは問題ない。というより、そんなことを目標にここに来ているのではない。

一つでも前へ。正直この位置からの10番台は厳しいと思ったが、20番台に入るチャンスは十分にあった。順位が35位ほどになったところで、目の前に3人ほどのパックが見えてくる。しかし絶対に追いつきたいという想いと焦りから目の前のセクションへの集中力が途切れ、ミスを犯して5秒ほどタイムロス。試走では一度も失敗していないセクションなのに、レースというのは本当に難しい。

会場にいる日本人の方、そしてベルギーの観客達までもが自分を「Toki!!」と名前で応援してくれる。もっと速く走りたいと心から奮い立つような応援を送ってくれる。


Movie: (c) Hiroshi Kiyama

ラスト2周からは単独での展開が多くなってくる。前に見える数人の選手に追いつけそうで追いつけない。調子は良いのに競り合えないことがもどかしい。後半は順位を上げることはできずに34位でのゴールとなった。

終わってしまったというのが率直な感想。トップとのタイム差は4分ちょっと。高速コースだということを考えると決して僅かな差だとは思わないが、前週のワールドカップでは7分近いタイム差があったことを考えると、やはり調子は悪くなかったのだと思う。それだけに本当にスタートが悔やまれる。あそこでもっと前のパックでレースを展開できていれば....


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あまりにも悔しいので、自分なりにスタートが上手くいかなかった理由を考えた。


あの時の感覚としては、脚が動かなかったというよりは、位置取りに失敗して動けなかったという方が近い。自分は真ん中辺りに並んでいたのだが、一番右端に並んでおけば良かったと思う。あるいはスタートしてすぐに集団の端に動くべきだった。

目の前の選手についていくことしか考えていなかったため、横から追い上げてくる選手に道を塞がれて全く動くことができず、全力で踏むことができていなかった。


Photo: (c) Makoto.AYANO / cyclowired.jp


一方でオランダでのワールドカップでスタートが上手くいった理由は、スタート直後が登り坂であった上にゾルダーに比べて直線の距離が短く、後ろからスタートした選手はトップスピードが伸び辛かったのだと思う。そのため3列目の好位置をキープしてダート区間に入ることができた。

もちろんスタートに失敗した理由、中盤にもっと順位を上げられなかった理由は他にもある。例えばバイクペーサーで自分のトップスピードを高めておく練習は、ヨーロッパのシクロクロスを走るのであれば必ずやっておかなければならないと感じた。なぜなら他の選手たちは皆やっているからだ。日本でもできる練習をやらなかったことは、自分のミスである。他にも課題、反省をあげればキリがない。


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これで今シーズンのシクロクロスは全て終了すると共に、U23クラスを卒業することとなった。

来シーズンからは日本でも世界の舞台でもエリートクラスで走ることとなります。

再び世界選手権に挑戦したいと簡単には言えませんが、今年12月の全日本選手権で日本一になることができたら、その時は再びこの舞台を走りたいです。

僕は日本で一番の選手になりたいし、それは小学生の頃からの目標です。
来シーズンはそれを達成する時です。


Photo: (c) Makoto.AYANO / cyclowired.jp


そして3週間後にはMTBシーズンも始まります。

この冬のシクロクロスは僕にとって凄く良い刺激を与えてくれたし、そのことを証明するためにもMTBを全力で頑張ります。

これからもどうぞ宜しくお願い致します!


BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

使用機材
バイク       ANCHOR CX6(http://www.anchor-bikes.com

コンポーネンツ   SHIMANO DURA-ACE Di2 9070シリーズ (http://www.shimano.co.jp)
シューズ       SHIMANO SH-XC90

ヘルメット        Kabuto ゼナード スペシャル・チームカラー
グローブ     Kabuto PRG-3(レッド)
(https://www.ogkkabuto.co.jp)

ソックス        Wave One (http://www.wave-one.com)
         
サングラス        OAKLEY (http://jp.oakley.com)
         Jawbreaker(PRIZM TRAIL)
        
サプリメント     SAVAS(株式会社明治)(http://www.meiji.co.jp/sports/savas/)
          レース前:ピットインエネルギージェル
                栄養ドリンク風味(カフェイン入り)
         SAVASスポーツウォーター 
          レース後:リカバリーメーカーゼリー

ヘッドバンド   HALO (https://www.haloheadband.jp)
         グラフィック プルオーバータイプ(チームヘイロ)

 
16/02/03

2016チームのニューフェース、スプリンター鈴木 龍をご紹介

2016年よりブリヂストン アンカー サイクリングチーム入りしたのが鈴木龍です。チーム員を紹介するページでの、公式写真はこんなです。




そして本当はこんなです。右から2番目。


1992年生まれの23歳。大学在学時にはベルギーを母体とするチーム・ユーラシアに所属し、シーズン中はベルギーで転戦、経験を積みました。 昨シーズンは那須ブラーゼンに所属していました。



2016チームのニューフェース、鈴木は一体どんなレーサーなんでしょう。ずばり本人に話を聞いてみました。


ーーチーム入りの、簡単な経緯を

「これから自分は、海外レースで結果を残したい、と思っていました。本場のレースを走ると、例えば巡航速度が45kmで進むような、日本では経験できないレース運びが体験できると、これまでの海外レース経験から感じています。それを実現できるのは、このチームしかないと思い、その気持ちを水谷監督に伝えました」



ーーオフシーズンはどんなことをして過ごした?

「冬のオフシーズンは地元の仙台を拠点に、シクロクロスのレースに出たりして、車体のコントロールの練習、レース中のダッシュなどでトレーニングを積みました」



ーー自分はどういうタイプの選手?

「チームは、スプリンターとして期待をかけてくれていると思いますが、僕自身としてはスプリントだけじゃなく、チームに全体的に貢献できる走りができたらと思っています」


「まずチームの輪に入るのが大事ですが、その中で自分のできる仕事を見つけてチームに貢献したいです」



ーーアンカーのファンには、自分のどういうところを見て欲しい?

「そうですね、まずゴールに飛び込む仕事を任されると思うんで、そのゴールスプリントのところです。その時が、一番自分が輝ける場所だと思うんで、そこでの僕を、ぜひ見て欲しいです」



チーム最年少となるスプリンターは、ゴールラインでの働きと輝きを、ぜひ見て欲しいと言います。アンカーとしての初レースは、2月のツール・ド・フィリピンです。これまでアンカーチームはなんども優勝を飾っている、相性のいいレースです。デビューウィンも夢ではない、鈴木龍の今年の活躍に、期待です。


 
16/01/30

2016アジア選手権トラック競技、飯島 誠コーチの名言

今大会、アジア選手権女子エリート・スクラッチで優勝した梶原悠未 選手(筑波大学付属坂戸高校)は、表彰台後のインタビューで、このように言いました。



「飯島コーチから最後(スタート直前に)、『君には切り札が何枚もあるから』というアドバイスを頂いて、背中を押していただきました。自分は逃げでも勝ち取ることもできるし、スプリントでも勝ち取ることができる、という自信を持って戦うことができました」




男子エリート・オムニアムで優勝した橋本英也 選手(NIPPO)は、レース後にこう述べてくれました。



「飯島コーチが来てくれたおかげで、今回の優勝がありました。競技に賭けるプライドがとても熱く、とても参考にできる部分が多いです。レースの展開ですとか、そういったポイントをクレバーに伝えていただけ、ありがたいです」



今大会での中距離競技のヘッドコーチを担っていた飯島 誠コーチ。

男子ジュニア・ポイントレース/今村駿介 選手、女子エリート・スクラッチ/梶原悠未 選手、男子エリート・オムニアム/橋本英也 選手、男子エリート・スクラッチレース/倉林巧和 選手の4選手を優勝へと導き、中距離競技にて4つの金メダルを日本にもたらしました。

飯島コーチは、元アンカーチーム員であり、アンカーの母体ブリヂストンサイクルの社員でもあります。









今回残念ながら、2位となった男子エリート・チーム パーシュート出場、ブリヂストン アンカー サイクリングチームの一丸尚伍は、飯島コーチについて、こう語ります。



「厳しいです。かなり厳しいです。練習メニューもそうですけど、たまにはキツイことを言われます。

それに、レースでは選手よりも先に熱くなるんですよね。選手はまだ気持ちが休んでる前日とかから、スイッチ入っちゃったりして」




「でも、選手を一番に想ってくれているコーチなんです。今どき、ああやってたくさん言ってくれるコーチって、あまりいないと思います。すごくありがたいです」








「それに選手みんなが、飯島さんのこと、大好きです。みんなで飯島さんのTシャツを作りましたもん」

 そのTシャツが、通称『マコT』。ナショナルチーム選手分全員はもちろん、メカニックなどスタッフの分まで作ったそうです。とある日の食事で、それを全員で着て、飯島コーチが来たときに、バッとお披露目したそうです。



『限界は 自分の思っているより もっと先にある!!』 ーー飯島 誠




 
16/01/27

2016アジア選手権トラック競技チームパーシュート/日本新記録を達成するも。


先日に2020年東京五輪トラック競技の招致が決定した静岡県伊豆修善寺のベロドローム。ここで2016年1月26日から30日まで、2016年アジア選手権のトラック競技が行われています。


トラックの日本ナショナルチームには、ブリヂストン アンカー サイクリングチームから一丸尚伍が選ばれています。27日に行われるチーム パーシュート競技に出場します。チーム パーシュートとは、団体追い抜きとも言われる競技。全4kmの距離を4名のチーム走り、そのタイムで競います。

さて、自転車で最も大きな抵抗は空気抵抗です。4名で走るチーム パーシュートでは、走行中の空気抵抗を最も受ける先頭の選手が一番体力を消耗します。

そのため、ほぼ4分前後のレース時間中、選手たちは先頭を順番に交代しながらレースを進めていきます。

そしてタイムは4名のうち、3番目にゴールをくぐった選手のタイムで決まります。そのため、3名選手が最速であるために、最初に先頭を引く選手(一走と呼ばれます)はチーム全体のスピードをあげる推進力としての役目を担うのが通常のセオリー。他の3人よりも長い時間先頭で走り続けます。チームワークが勝利の鍵となる競技です。

前日の予選では、日本チームは中国、韓国に次ぐ3位の成績。中距離競技のヘッドコーチである、写真左の飯島誠(彼も元アンカーチームレーサーです)は、この成績についてこうコメントします。

「日本での開催というプレッシャーの中、予選は3位でしたが、いいタイムを出してくれたと思います。通常、第一回戦ではいいタイムが出ることが多いので、一昨年に出した日本記録、4分6秒台、というのを更新したいですね。

もちろん勝ち上がるのが大事なので、勝たなきゃ意味がないですが、まずはベストな記録を出すというのが大事だと思います」

その記録への期待の中、第一回戦が行われました。一丸はまず先頭に出て、一走としてスピードを上げていきます。その相手は予選2位だった韓国。互いのチームはバンクの反対同士からスタートするのですが、日本チームはジワリ、ジワリと、韓国との差を広げていきます。ゴール時には目で見てもわかるぐらい差をつけての勝利です。



そのタイムは、これまでの日本記録を3秒近く縮める4分3秒819の日本新記録。飯島ヘッドコーチの言葉通り、勝ち上がるのはもちろんですが、ベストなタイムを叩き出します。



この新記録樹立に沸く日本チーム。一走として気を吐いた一丸、彼の働きがこのタイムを呼び込んだ一因となったことは間違いありません。しかし大切なのは、この次の決勝での勝利。まだ気を抜くわけにはいきません。


一丸のお母さん(赤いセーターの方)も会場に足を運び、声援しています。2016年アンカーカタログ内に記載される一丸の記事をお読みいただけると、「一丸はレース系競技が得意ではない」といった内容が記載されています。実はそれには深い理由がある、ということを、一丸のお母さんが、詳しく語ってくれました。その内容については、また別の機会にご紹介できることでしょう。


さて、決勝です。一丸は前回と同じく一走を担います。日本記録を打ち立てたという気概が、決勝でも見られるでしょうか。全16周のレースがスタートします。

前半は日本チームが僅差でリード。このままリードを広げていきたいところです。そして8周目ほど、チームを引ききった一丸が離脱。残りの展開を3名の仲間である窪木一茂選手、近谷涼選手、原田裕成選手に任せます。


ここまでを、一丸はこう振り返ります。

「中国は、一回戦を流していたようにも見えたので、まだタイムを縮めてくると思い、スタート直後から攻めました。でも、ちょっと経験したことのないスピードで前半から飛ばしたので、前半の早いうちにチギれてしまって….」

そして後半の中国が強かった。日本チームは決して悪い走りには見えないのですが、僅差で勝っていたタイム差を後半に入った途端、中国に逆転されてしまいます。

日本チームは、タレてはいません。しかしタイム差は広がる一方。そしてそれはそのまま縮まらず、中国は、日本が第一回戦で出したタイムを0.3秒ほど上回る4分03秒510でゴール。そのタイムは、アジア新記録ともなる結果となりました。

「僕たちが日本記録を出したのは、確かにそうなんですけど、それでも、中国に勝って世界選手権に行くというのが目標だったんで… 日本記録はその通過点にあったということで、でも、負けたっていうのは….」

ゴール直後の一丸は、言葉も少なく、遠くを見ながら、こう述べました。その目には悔し涙が滲んでいます。いつも明るい性格で、ムードメーカーでもある一丸ですが、今日ばかりはその悔しさを隠せません。

しかし、日本記録を3秒近くも縮めたのは事実です。一丸の走力は、年々上がっているとの評価も高くあります。一丸はさらに成長することでしょう。アンカーは、一丸の成長とその実証を待ち望んでいます。

2016年アジア自転車競技選手権大会(静岡県 伊豆修善寺)
RESULT / 男子エリート チームパーシュート 2016年1月27日

1位 中国 4:03.510 (アジア新記録)
2位 日本 4:05.637
 (窪木一茂、一丸尚伍、近谷涼、原田裕成)
3位 韓国

公式リザルトはこちら。
http://cycling-championships.asia/wp/wp-content/uploads/downloads/2016/01/COM0127.pdf

 
16/01/24

2016アジア選手権 男子ロードレース 日本チームは残念ながら優勝を逃す

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2016年1月26日、アジア選手権大会ロードバイク 男子エリート種目が開催されました。前日までは、大寒波が開催地の大島を含む関東を襲うとの報道を多く目にしましたが、当日の天候は雲もほとんど見られないほどの好天。

しかし会場に居合わせた皆が「寒いですね」「寒いよね」と挨拶代わりに口にするほどの、冷たい強風が吹き荒れていました。


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全長11.9km、獲得標高167mのコースは、前半でぐっと登り上り、後半は海岸線のほぼフラットなコースを走るというもの。前日の内間康平が言った通り、複雑なコースである印象はないのですがその実、前半に続く急激な上りで選手達は脚を削ぎ、後半は海から吹き付ける、荒れた海風が体力と心を削り落とします。

心身ともに確かな『地脚』が求められるものであると言ってもいいでしょう。


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レースは午前8時にスタート。スタート時の気温は2度。寒さの中じわじわとした様子見から始まった1週目を終え、途端に次の上りで先頭集団が形成されます。

日本ナショナルチームからは、新城幸也選手、別府史之選手が先頭集団に入ってレースの行方をコントロール、その後方の集団に内間が位置します。


内間は、その模様をこう振り返ります。

「2週目から上り区間で全体がペースアップし、それに体が寒さに対応できず、しっかりと体が動きませんでした。自分でできる最善の準備は行っていたんですが、体が動き出す前に、そのペースアップに耐えられなかったっていうのが、今回の自分、一番の問題点だと思っています」


途中、155kmの総距離が、悪天候のため3周回減らされ、総距離119kmに変更。そのアナウンスがきっかけとなったのか、イラン選手がアタック。彼らに数周回は先頭を許したものの、新城選手、別府選手が積極的に先頭集団にてけん制、潰しながら、レースを日本ペースにて操ります。


そんなレース後半、香港のキン・ロー・チュン選手が単独でアタック、新城選手はそれに反応、追撃。この動きがレース全体のペースが突然にぐっと上げました。その速度についていけず、タイム差が開いた選手たちが周回ごとに、数名単位でレースから降ろされていきます。

内間も最終周回直前まで喰らいついていましたが、最終周回を目前にタイムアウト、途中棄権DNFを余儀なくされてしまいます。


「最後まで残り、新城さん、別府さん、二人のアシストをするっていう役目をもらっていたんですが、そんなこともできずに終わってしまいました」

レースはその後チュン選手と新城選手の一騎打ちとなり、観客は熱い歓声とともに勝利の行く末を見守ります。その力差は、わずかにチュン選手が上回ったようで、最終3kmから独走態勢を作り上げて、優勝ゴールへと逃げ切りました。

残念ながら前日に内間が述べた通りの展開となり、優勝こそ香港のチュン選手に奪われたものの、日本ナショナルチームの活躍は、東京都・大島に集まった観客を大いに沸かせました。

終わってみれば、事ある毎に寒さを口にしていた観客からは「熱いレースだった」「熱かった」「残念だけどありがとう」という感想が、そこここで聞かれました。



浅田顕ナショナルチーム監督は、次のように語りました。

「残念です。でもチームはよく動きましたし、いいレースができたと思います。消耗戦だったので、選手には労いの言葉をかけてあげたいですね」

内間はこう言います。
「次のレースを、待っていてください。必ず、勝利と笑顔をみなさんに届けます。期待してください」


次からは、ブリヂストン アンカー サイクリング チームとして走る内間。この悔しさをバネにすることができるでしょうか。次なる勝利に向け、みなさまの応援をお願いいたします。

2016年アジア自転車競技選手権大会(東京都大島町)
RESULT / ROAD RACE Men Elite

1 CHEUNG King Lok HKG/ホンコン・チャイナ 3:25:34
2 ARASHIRO Yukiya JPN/日本 +00:06
3 BEPPU Fumiyuki JPN/日本 +4:38
  UCHIMA Kohei JPN/日本 DNF
  HATANAKA Yusuke JPN/日本 DNF

大会公式リザルトは、こちらです。
http://cycling-championships.asia/wp/wp-content/uploads/downloads/2016/01/Com-32.pdf


 伝統的な『大島あんこ』。『あんこ』とは『娘っ子』っという意味の言葉だそうです。

 
16/01/23

2016年アジア選手権前日、内間康平『いま、気になるライバル国は?』

2016年1月24日(日)午前8:00、東京都大島町にて、アジア選手権大会ロードレース 男子エリートクラスが開催されます。

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日本での開催は8年ぶりとなるアジア選手権、ロードレース種目の会場となるのは、東京都の南に浮かぶ、伊豆七島の一つである大島です。大島という地が開催地として選ばれたのは、2020年に控えた東京五輪でのロードレース種目のテストケースにしたい意味合いもあるそう。


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自国開催とあって、日本ナショナルチームも気合は十分です。ブリヂストン アンカー サイクリングチームからは、内間康平が日本代表4名のチーム員の一人として選ばれています。

その内間に、レース前日の意気込みを聞きました。


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ーーコンディションは?

バッチリです。火曜日に大島に入りました。高潮で高速船が出ず、8時間かけて船で海を渡ったんですが、ずっと寝ていたので、問題はありません。体も心もいい感じです。充実しています。

ーーちょっと絞れています?

そうでもないと思います。オフシーズンはあまり太らなくて、ここで練習も積んだので、去シーズンと同じぐらいの体重、60kgぐらいでかなり軽いですね。それに明日はかなり寒いようなので、今日の朝から多く食べるようにしていますね。明日のレースは、とにかく全開で行くんで、補給食を摂れない可能性があるので…

ーーコースはどうでしょう?

結構覚えやすいコースだったんで、しっかり頭に入っています。明日、走るのが楽しみです。最初の予定より一周減って、距離は155kmになりました。

ーー気になるライバル国は?

香港が気になります。香港の選手はみんな強いんです。今、イランを気にすることが多いですけれど、日本とイランがやりあっている隙をついて、香港が行く可能性もあるので、そこは気にしておかないといけないですね。


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ーーここに来てからどんな感じで過ごしました?

幸也さん(新城幸也選手)と同じ部屋です。チーム沖縄、みたいなことで楽しくやっています。

ーー新城さんとしゃべるときには、沖縄の方言を使うんですか?

いえ、あんまり使わないです。方言って、敬語っていう感覚がないので、僕は目上の人にはあまり使わないんですよね。幸也さんもあんまり使わないんですよ。ふとした時以外、方言はあまり出ないですよ(笑)。

ーー今の想いをまとめると?

日本での開催なんで、去年のアジア選手権とはまた違った雰囲気です。そういうすごい雰囲気の中で走るのは、とても楽しみです。沿道からの応援を力に、変えられるようにしたいと思います。明日は、絶対、日本チームから優勝を出します。

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明日の内間の活躍を、そして日本チームからの優勝を、アンカーは心から願っています。

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あんか〜椿は恋の花、と都はるみも歌っています(なんつって)。

 
16/01/01

謹賀新年

旧年中はひとかたならぬご声援を賜り、
誠にありがとうございました。

本年もアンカーチームは欧州、アジア及び
国内のUCIレースでの活躍を目指し活動をしてまいりますので、
宜しくお願い致します。

皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

2016年チーム体制はこちらから

 
15/12/09

全日本シクロクロス選手権U23 沢田選手レポート掲載

大会名: 第21回全日本シクロクロス選手権大会
開催日:   2015年12月6日
開催場所:  長野県飯山市長峰運動公園
カテゴリー: U23
リザルト: 優勝
天 候:   晴れ
コースコンディション: マッド

いよいよ全日本シクロクロス選手権の日を迎えた。
昨年は4位に終わったこの大会、今年はU23クラスでは最後の年ということもあり、日本一のタイトルに懸ける想いは強い。MTBシーズン終盤は足の怪我の影響で思うように走れない時期もあったが、治療のためにしっかりと回復期間をとったことが、今になって良い影響を与えている。シクロクロスシーズンが始まってからは例年のように息切れすることなく、毎戦コンディションを上げながら全日本の日を迎えることができた。

飯山のコースは芝生のキャンバーセクション、舗装路の直線、林の中のシングルトラック、そしてバイクを担ぐ階段とシクロクロスに必要な要素が全て詰まっているような、とてもバランスのとれた最高のコース。ドライコンディションであれば高速なレース展開が予想されたが、前日から当日の朝にかけて雨が降り続いたことでコースは一気にマッドコンディションへと変貌した。

レーススタート2時間前の試走時間でコースの最終確認を行なう。特にコース中盤の林の中のシングルトラック区間は念入りに路面状況を確認した。この段階ではまだ雨が止んだ直後であったので、路面はそれほど重たい泥にはなっておらず、ラインを選べば乗車していくことも可能だと感じた。しかし自分のレースは2時間後。これから路面が乾き始めれば重たい泥へと変わっていくことは確実であるし、これから始まるジュニアクラスのレースの後はさらに路面も荒れるだろうと予想した。自分たちのレースではバイクへの乗り降りの判断が最も重要で、勝敗を分けることになるのは間違いない。バイクを押してランニングでクリアする場合の脚の置き場なども念入りに確認した。

2番目コールでスタート位置につく、一番意識していたのは去年の覇者であるシマノレーシングの横山選手。泥区間は彼が一番速いだろうと予想していたので、自分が勝つためにはとにかく先頭でレースを展開し、相手のミスを誘う走りをするしかない。

最初の芝生のキャンバーセクションは絶対に前が詰まると予想していたので、早めにバイクを降りてランニングで切り抜ける。舗装路に出たところで先頭集団の最後尾である5番手の位置。決して良いスタートではないが、自分にとって一番苦手意識のあった場面を無難な形で切り抜けることができた。
続くは芝生の激登りセクション。ここで失敗すると大きくタイムロスするので早めにバイクから降りて駆け上る。タイヤを滑らせた選手を追い抜いて3番手に浮上。横山選手の前に出られたので、ここで最初の攻撃を仕掛けることにする。180°ターンのコーナリングで他の選手と違うラインをとり、一気に先頭に立った。少しペースを上げて林の中のシングルトラックへと入っていく。
とにかくこの区間は先頭で走り続けたかったので、コーナーでアウト側のラインに膨れながら無理に乗車していくよりも、イン側のラインでバイクを押していく方が抜かれる確率が低いと判断。とにかくミスをしないこと、脚を滑らせないことに集中しながらシングルトラックを切り抜ける。自分は階段での担ぎセクションを得意としているので、ここでは意識的にペースを上げる。

1周目を先頭で通過し、後ろとのタイム差は10秒。タイム差を聞いた時に「もっと差を広げたい」とも「追いつかれたらまずい」とも感じなかった。とにかくミスをしないこと、それだけに集中していた。たとえ追い付かれても、ここまで先頭を走っている自分が有利であることは変わらないはず。アスファルト区間では息を整え、芝生区間ではしっかりと踏み込んでスピードを乗せ、泥区間では早めにランニングに切り替える。この流れを崩さないことに集中する。

2周目、3周目とタイム差は順調に開き、残り2周の段階で35秒ほどとなった。大きなトラブルがなければ逃げ切れるタイム差であるが、何も起こらない保証なんてどこにもない。毎周回ピットでバイクを交換し、泥によるメカトラブルのリスクを最小限に留める。2位集団は3人ほどパックになっているので、バイク交換をする余裕はないはず。これも自分にとって有利になると感じた。

早くゴールして楽になりたい。身体よりも緊張感で頭が疲れてきていることを感じる。
シングルトラックで転倒して、ハンドルにコーステープが絡むアクシデント。少し復帰に時間がかかったが、このトラブルのお陰でもう一度緊張感を取り戻すことができた。

ラスト1周は安全に走り、ゴールへ。本当に、本当に嬉しい瞬間。
2015年はMTBに続き、シクロクロスでも日本一になることができた。

どちらかと言えば苦手意識のあった深い泥のコースで日本一になれたことは、自分にとってとても大きな自信になった。レース展開も最高の形であったと思う。

本来ならオフシーズンである冬の間も、シクロクロスという自分が大好きな競技で日本一を
目指し、達成できたこと。チームとスポンサー様の理解と最高のサポートがあったからこそで、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。そして寒い会場に足を運んで下さった方、熱い応援と祝福のメッセージを送って下さった方々、全てが僕のプラスのエネルギーになりました。本当にありがとうございました。

これからも頑張りますので、宜しくお願い致します!

BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM
沢田 時

結果
1位 沢田時(ブリヂストンアンカー)       50:09
2位 横山航太(シマノレーシング)         +18”
3位 竹内遼(WESTBERG/ProRide)          +21”

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15/12/06

【速報】全日本シクロクロスU23 沢田時優勝!

沢田 時 独走優勝!!
U23最後の年となった沢田時、1周目から先頭に立つと、
そのままタイム差を広げて独走優勝!!
レポートは追って掲載します。

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