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16/03/09

【クロアチア/ポレッチ トロフィー 2016】強い横風、荒い展開に翻弄され、苦汁を舐めたチーム員

レース名 : ポレッチ トロフィー(正式名称;Trofej Poreč)
カテゴリー : UCI 1.2(ワンデー クラス2)
開催地 :クロアチア/ポレク > タール
開催日 : 2016年3月5日(土)
距離 : 156.5km


ブリヂストン アンカー サイクリングチーム 出場選手
井上和郎、鈴木龍、椿大志、初山翔、ダミアン・モニエ、トマ・ルバ

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2000年の歴史を持つ古代都市、クロアチアのポレッチに、ブリヂストン アンカー サイクリングチームは来ています。

このポレッチという町は、紀元前2世紀、ローマ帝国時代に海に面する軍事拠点として建てられた小さな建物が、市となったもの。欧州の激変する歴史の中でさまざまな市政、国の支配下となっていきました。


Photo from
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポレッチ

そして20世紀初頭、オーストリア貴族のリゾート地としての役割を与えられ、現在も、クロアチアを有するイストリア半島きっての観光地です。ユネスコ世界遺産であるカトリック教会の聖堂、『エウフラシウス聖堂』が、観光客の目を惹きます。

グーグルマップで言うと、この辺り。
https://goo.gl/maps/cNxvNokBQPA2

チームのクロアチア遠征、ふたつ目のレースとなる【ポレッチ トロフィー】は、このポレッチから北上し、タールという町までの周回コース、160km余りの距離を走ります。

先のウマグ トロフィーよりもアップダウンの多いコースレイアウトですが、今日は、とにかく、風がきつい。


Photo from
http://ipress.rtl.hr/gradovi-i-opcine/porec/slovenski-biciklisti-osvojili-14-trofej-poreca--43170.html


このレースでの大まかな指針は、現在好調な鈴木龍に、UCIポイントを獲得させるというものでしたが、水谷監督の言葉を借りると「結果を全く残せず、敗退となりました」。

風が厳しい日のロードレースでは、チームは組織的に動く必要があり、協調力、経験、そして実力をすべて出しきらないと、勝利に結びつきにくいと言われます。しかし、こういった状況の中でのレースは、特に日本やアジアツアーでは、ほとんど経験できないものです。


厳しい横風という状況の中、始まったレースでしたが、その展開もかなりワイルドなものとなりました。椿大志は、こう説明します。


「集団内はかなり危険な状態。70km/hで斜行する奴、むちゃくちゃな位置取りする奴、そいつらのせいで意味もなく発生する落車、たくさんの対向車……」


チームは登りでなんとか位置を上げていきますが、風の厳しい区間では、パワーでガンガンと踏んでくる、重量級スプリンター系選手に圧倒的な分がありました。クライマーを中心としたブリヂストン アンカー チームには、後手に回らざるを得ない状況です。


その横風を利用した、他チームからの攻撃の様相を、井上和郎は、こう記しています。



Photo from
http://ipress.rtl.hr/gradovi-i-opcine/porec/slovenski-biciklisti-osvojili-14-trofej-poreca--43170.html


「スタートからアタックの応酬となるが、 次第に周回の下り区間で吹く横風を利用した攻撃に転じるチームが出てくる。

登りで道に蓋をするように広がって登り、他チームの攻撃を防ぎ、 下りで一気に加速して横風を利用して集団を分断する。

風を利用した典型的な攻撃であるが、 道幅の広い高速区間をハイペースで駆け抜けるため、よっぽど自力があるか、チームがしっかり連携するかしないと太刀打ちできない」


結局、トップから2分以上離され、伸びた集団の中で鈴木龍、初山翔、椿が同着ゴール。井上和郎は途中で調子の悪さを感じ、トマ・ルバとダミアン・モニエは、この繰り返される「意味ない」落車に危険を感じ、大事を取ってレースを降りる判断をしました。


「今日は、プロトンの中にいることが、とても惨めに感じられた。こんな日は、二度とないことを祈る」とトマは後に、今日を振り返ります。


Photo from
http://ipress.rtl.hr/gradovi-i-opcine/porec/slovenski-biciklisti-osvojili-14-trofej-poreca--43170.html


水谷監督は、今日のレースに付いて述べます。

「これが今日の現実です。こういった状況、展開、スピードに走り慣れることで、それで選手は、そしてチームは強くなるんですね。ヨーロッパのチームですら、成績を出せないこともあります。

体力強化だけではない、戦略の是非でもありません。とにかく今目の前にある現実の中で、つねに動き、つねに力を出すという、本物のレースを経験し続けないことには、レーサーとしての真の強さは身につきません。

チームにとってはいい経験になったとは思うのですが……」

とはいえ、レースは続きます。次は4日間のステージレース。イストリア半島を巡る《イストリアン スプリング トロフィー》です。


《Result リザルト》
ポレク トロフィー Trofej Porec
3/05/2016

1 MUGERLI Matej Synergy Baku Cycling Project 3:23:25
2 TRATNIK Jan Amplatz - BMC +0:01
3 AUER Daniel Team Felbermayr - Simplon Wels +0:07

73 SUZUKI Ryu/鈴木龍 Bridgestone Anchor Cycling Team +2:05
93 HATSUYAMA Sho/初山翔 Bridgestone Anchor Cycling Team +2:05
120 TSUBAKI Hiroshi/椿大志 Bridgestone Anchor Cycling Team +2:05
DNF INOUE Kazuo/井上和郎 Bridgestone Anchor Cycling Team -
DNF MONIER Damien/ダミアン・モニエ Bridgestone Anchor Cycling Team -
DNF LEBAS Thomas/トマ・ルバ Bridgestone Anchor Cycling Team -