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16/12/14

【ルックバックBGT 2016】井上和郎 -- チームの要となり、今年で引退を決断


今季、ブリヂストン アンカー サイクリングチーム(=BGT)の屋台骨のような役割で走った井上和郎は、2016年を持って、現役を引退します。そしてその発表直後のジャパンカップに出場し、スプリント賞山岳賞を2日連続で獲得。今年チームのために走り続けた井上が、自身のために走った地脚の実力を垣間見られたレースでした。



インタビューやコメントなどでは、冷静に言葉を選ぶ井上。チーム員への気遣いや思いやりなども、そこここに垣間見え、活字に残る井上の言葉を読むと、さすが14年のベテラン選手といった印象です。

が、井上に実際に会ったことのある方はご存知でしょうが、素の井上の口から出る言葉は笑っちゃいます。エンターテインメント力というか、事象を面白く伝えるのが得意です。空気を和ませる、これも多くの経験を積んできた井上の気遣いの現れのひとつなのでしょう。

全く脈絡のないエピソードですが、遠征の多いロード選手ならではの経験から「パスタにかける用のソースは、ご飯にかけても大変うまいの法則」というロードバイク旅グルメのこつのひとつを教えてくれた井上が、選手生活最後となった2016年シーズンを、真面目な言葉で振りかえります。



●2016シーズンの自分を振り返って

前半のヨーロッパ遠征では、調子の低い状態で入ってしまった。

4月、5月に、チームメイトの体調不良からレースメンバーに入ることが多かったが、結局は、ツアー・オブ・ジャパン前に疲れ切ってしまった。
調子を上げるのに時間がかかるようになった上に、疲れがたまりやすくなっているのを感じてしまった。

全日本選手権では、そんな状態を割り切って、牽引役として動けるように身体を作って、なんとか仕事が出来た。

後半戦は、ほとんどレースのなかった8・9月を過ごしたが、その分、疲れがたまることはなかった。
10月のJプロツアー、合宿でなんとかいい状態になり、ジャパンカップツールドおきなわは、なんとか走れた。



●2016シーズンのメインマシンを振り返って

ANCHOR RS9。

2011年にアンカーに戻って、ずっと要望してきた味付けのフレームに近づいた。
アンカー史上最も反応のいいこのフレームは、自分の好みのフレームでもあり、確実に戦闘力が上がった。



●2016シーズン、最も心に残った出来事

全日本選手権ロードでの、初山の勝利。
チームとして12年ぶりの優勝であり、2011年にアンカーに戻ってから、ずっと悲願となっていた。

最終的にこの勝利が、自分の選手としての区切りになった。
同時に、達成したのが自分じゃないという羨ましさも残ったのは事実で、残りのレースを全力で走るモチベーションになった。


●今シーズンのチームを振り返って

各自が、自分の持ち味を理解し、レースの中で判断し動いたレースはいいレースとなった。
個々の力がしっかりしていて、お互いにそれを尊重し合ういいチームだった。



●2017年のチームに向けアドバイス

選手個人にというより、チームの理念をもう一度明確するべきだと思う。
その理念の元に集まったチームなら、困難にもしっかり立ち向かえるはず。


*今年お気に入りの写真



選手、スタッフ、最高のメンバー。 このメンバーだから全日本勝てたのかな。



誰よりも真摯に競技に向き合うトマ・ルバ。 その姿勢はみんなのお手本になるものだった。



経歴からは想像できないほどお茶目なダミアン・モニエ。 彼のおかげでチームは和んだ。 発揮する走りも素晴らしかったが、 今年は終盤戦の怪我で本領を発揮できなかった。


井上和郎