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17/08/11

【MTB ワールドカップ・モンサンタンヌ】沢田58位、平野61位

レース名:MTBワールドカップ XCO 第5戦
開催地:カナダ・ケベック州モンサンタンヌ
開催日:2017年8月6日
コース長:28.8km=スタートループ3㎞+4.3㎞×6周
ブリヂストン アンカー サイクリングチーム 出場選手:
 沢田時、平野星矢


ブリヂストン アンカー MTBチームが、UCIワールドカップの第5戦、カナダ・モンサンタンヌ大会に参加しました。ジャパンナショナルチームのU23選手、強化遠征と参加を同じくしています。結果、沢田時は58位、平野星矢が61位でした。小林監督のレポートです。

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チームは2017ワールドカップ=カナダ・ケベック州モンサンタンヌ、続くアメリカ・ニューヨーク州ウィンダムでのUCI-HCレースに出発した。最高レベルのレースでUCIポイントを着実に獲得すること、日本では競えないワールドクラスの相手と身体を交える走りをすること、を目指す遠征。内に秘める力の全てを絞り出して挑むレース。

(今回はジャパンチームがU23以下を対象にアンカーと同じレースに参加、自分は50%ジャパンチームとして行動)

ここケベック州モンサンタンヌは、過去に世界選手権が行われた場所。ワールドカップの常連会場であり、ダウンヒルもXCOもダイナミックなコースレイアウトだ。日本にはまずない超難易度のロックセクションが置かれている。しかし無造作に見える岩の配置も、インスペクションするとその小さなひとつ一つが計算され尽くし置かれることに気づく。路面のミューも起伏もカメラを意識したようなつくり。WCでも最多の立体交差が用意され、コンパクトな1周4.3㎞のコースは、どの角度から見ても興奮するレイアウト。

今大会は、世界戦を前にするため、欧州のワークスライダーには参加を敬遠する選手もいたが、トップ20はいつものメンバー。今季負けなしのニノ・シューター選手(Scott-SRAM Mtb Racing Team)を筆頭に強豪が揃った。

アンカーは表彰会場を目の前に見るアパートをチーム拠点とした。不測の事態にも完全対応できるだけのパーツアッセンブリもカナダに持ち込んだ。ワールドサポートであるSHIMANOの支援も手厚く、試走で破損したパーツもリペアして頂き、万全の体制でレースに挑んだ。


8月6日、14:45ジャストの号砲一発。スタートループ3㎞+4.3㎞×6周のタフなレースがスタート。アンカーの2選手もスタートトラブルなくループに消えていく。

前日の大雨の影響でロックセクションがスリッピーで非常に危険な状態になるのではと心配されたが、レース当日は朝から薄曇り。U23や女子エリートのレースで路面が荒れることはなく、かえって砂が濡れた岩の表面に付着されることで予想よりもグリップできる状態になっていった。



あっと言う間に一列棒状となった集団は、大きな落車もなく驚異的なスピードで難易度の高いロックセクションを淡々と走り抜けていく。

タイトコーナーでは位置取りに関係なく割り込む。登坂では全身を使って強引に競り上がり、ダウンヒルは岩と岩の頂点を結んだ最速ラインに突っ込んでいく。一瞬の隙を逃さず接触しながらも前を抜き、フィニッシュまでのストーリーなんて考えていないのではないかと思う強烈なアタックは、やはりワールドカップなのだと実感する。

ある意味、国別で選手が絞られる世界選手権よりも高レベル層の選手が多く集まるWCに、日本唯一のUCIチームとしてアンカーが挑戦していく意義は重い。

スタートループから1周目
やはりシューターを取り囲んだ集団がレースを牽引。段違いの速さで大集団を引きちぎっていく。しかし、その中でも雑音を立てずにウルトラスムースに走り抜けていくシューターには、誰とも違うオーラがあった。明らかに足を残しながらパック2番手でプッシュしている。その驚異的な速さに牽引された大集団の後方にアンカー2選手がいた。



沢田選手はゼッケン57番、平野選手は58番。ともに日本人UCIランキング2位と3位だが、WCではスタートグリッド最後尾になる。圧倒的に不利な位置であるが、そこからどこまで上がれるのか、UCIポイントが与えられる60位以内と完走(トップのラップタイムの80%相当の時間差が開くと完走できずにカットされてしまう)を目標としてレースがはじまった。

まるで野山を駆け巡る動物のような凄まじい速さの大集団の後方で、沢田選手が懸命に前の選手を一人ずつパスしようと動く。集団の速さに翻弄されまいとパワー全開のダンシングで前を追いかけていく。

一方、平野選手は前日の試走で痛めた右足の影響で思うようなパワーが出せないが、経験豊富な彼の走りはクレバーで、集団の流れに乗るためにリズムを合わせていく。
アンカーはスタートループで順位をあげ、45番手前後を位置取りする。

2周目
やはりケガの影響は予想以上に大きく、平野選手のペースは上がらない。ペダリングもアンバランス。後続選手に次々パスされ、順位は50番台へと下がっていく。
沢田選手は集団の流れに合わせながら懸命にポジションをあげようとプッシュする。数名の選手と抜きつ抜かれつも他チームにパンクやトラブルが発生しはじめ、順位をキープ。


3周目
平野選手が大きく遅れ始める。身体の動きが固く、キズの痛みを強いられる走りとなり、ここで80%カットとなった。
沢田選手はトップ3が牽引する集団のスピードに対応できないセクションが増えていく。シューターとは毎周回120秒ほどの差を広げられ、小さな集団すらもバラけ、前後の選手と距離が空き始めていき、50番台へと順位を下げる。

4周目
レース全体がシューターを囲むトップ集団に完全支配される。10番手以降はパックが崩壊し、テクニカルフィードでは複数のチームフィーダーが同時にラインに着くことがなくなっていった。
沢田選手は完全に単独走行となる。しかしトップ集団が小さなアタックを繰り返しているため、ラップが高位安定し、ここで5周回目に入ることを許されなかった。


結果
優勝はシューター。今季WC無敗で年間総合チャンピオンを獲得した。5周目の満を持してのアタックで他を圧倒しての優勝だった。アンカーは、平野選手が61位、沢田選手が58位でフィニッシュとなった。

チームとしては、多くのスポンサー、サプライヤー、ファンの力で、沢田選手が自身初のエリートで迎えたWCでUCIポイント10点を獲得することができた。しかし、目標である完走を果たすことはできなかった。世界のトップライダーに後塵を浴びせられるラップがなくなるまで、2020年東京五輪の舞台に向かって、アンカーは懸命に強化のスピードを上げていかなければならない。そして、どんな状況でも果敢に、勇気をもって挑戦し続けていくチームでなければならない。

次週はアメリカ。ウィンダムNYで行われるWINDHAM PRO XCTでUCIハイクラスレースに挑む。
沢山の応援をありがとうございました。


リザルト

1 Nino Schurter (Swi) Scott-SRAM Mtb Racing Team 1:31:51
2 Stephane Tempier (Fra) Bianchi Countervail +0:00:10
3 Gerhard Kerschbaumer (Ita) Torpado Gabogas +0:00:21
58 Toki Sawada/沢田時(Jpn) Bridgestone Anchor Cycling Team
61 Seiya Hirano/平野星矢 (Jpn) Bridgestone Anchor Cycling Team