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19/05/23

【TOJ2019】第4・美濃ステージ/向上を続けるチーム力、窪木を2位に


(中央:窪木)


レース名:2019 ツアー・オブ・ジャパン /第4・美濃ステージ 
開催日:2019年5月22日(水)
開催地:岐阜県美濃市
UCIカテゴリー:2.1
コース長:139.4km=(パレード4.0km)、11.6km+21.3kmx6周
TEAM BRIDGESTONE CYCLING 参加選手:石橋学、窪木一茂、黒枝士揮、徳田優、平塚吉光、孫崎大樹

photo: Midori SHIMIZU


ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)第4・美濃ステージにて、TEAM BRIDGESTONE Cycling 窪木一茂がゴールスプリントにて2位となりました。優勝こそ逃しましたが、チーム全体でスプリンターを守り、スプリンターはその期待に応えるという、ロードレース王道の走りができたステージでした。



(窪木)


毎日続くステージレース。限界まで体力を使い切ると免疫力は一時的に下がり、いつもより体調を崩しやすくなります。それに備えて昨日のレース後にチームドクターが来訪。選手ひとりひとりの体調を聞いて診察し、必要があれば、ドーピング規定にも心配ない薬などを提示していました。



4日目のステージは岐阜県美濃市での開催。「うだつ」で有名な日本家屋が並ぶ市内中心部からパレードでのスタートとなります。



今日のコースはこれまでと比べる平坦部が長め。逃げが決まりにくいち系であるため、ゴールスプリントでの勝負になると予想されました。

そのためか、スタート後の主導権取り合いから3名の有力選手が抜け出しても、集団はこれまでのステージのように、静観を続けました。全6周回のレース中、1周目から5周目まで3名の選手は最大4分半までの差を広げ、しかもその速度は高いままです。



後方集団は、一時はそのスピードを緩めるものの、4周目を超えても衰えない先頭の速度にじわじわと反応し始めます。ブリヂストンを始め、総合優勝を狙う選手を擁するチームのほとんどは前方で展開、集団の速度を引き上げます。

今日のブリヂストンで牽引力の役目を担ったのが徳田優。昨日のレース前半の引きもそうでしたが、今日はさらに速度高く、距離も長く先頭で風を受けペダルを踏みました。



(徳田)


「今日のチームの作戦はスプリント一択、『牽引を任せる』ということで昨日から牽引思考でディープに備え、心の準備をしてたので『出番が来ました!』って感じでした。脚は使いましたが、ある意味気楽で、ストレスなく楽しく走れました(笑)」(徳田)

徳田が牽引を始めたのは5周目。先頭3名と集団との差は2分まで縮まったものの、そこから3名はゴールまでの逃げ切るために改めて踏み直しタイム差は停滞。

集団はいよいよ本気を出し始め、逃げ切りだけは阻止すべく、最終周回で先行3名を捕まえます。



そこから最終局面に向けての位置取りが始まります。コースはKOM(キング・オブ・マウンテン=山岳ポイント)の最高地点から一気に下り、平地を抜けてゴール前の1kmは、軽い向かい風の直線となります。

選手たちは集団内の有利な場所を確保すべく、最後の上りを登りきる直前から、大きく動き始めます。



(平塚、石橋)


ブリヂストンは、窪木一茂、黒枝士揮、孫崎大輝のスプリント力のある3名がゴールスプリントに備え前方に。石橋学と平塚吉光が登りをサポートという形を目指しましたが、上りでの混乱の中で石橋と平塚がはぐれ、石橋は後方に下がってしまいます。

「うしろを見たら最後に学が遅れていて、(チーム員が)誰もいなかったからこれはやばいぞとなって。一旦後ろまで下がって、下りが終わったところから引いて、学を集団に戻しました」(黒枝)

「平塚さんとはぐれたあと、結局ゴリ押しで脚を使って登ったので。最後に備えていた士揮さんに自分のために脚を使ってもらって、ずいぶん助かりました」(石橋)



ゴールスプリントに向かって平地を走る集団の後方に追いついた石橋、その集団前方には窪木と孫崎がいます。二人はラスト1km時点から、最終スプリントに向けてフルガス(全開)で走ります。

こう言うと簡単そうですが、大集団のスプリントは選手たちの思惑が絡むため、接触の危険も多くストレスも多くなります。選手たちをたくみに避け、集団の先頭にまず出たのは「こういうスプリントの展開は得意なんで」という孫崎。後ろに窪木を連れています。


(左から孫崎、窪木)


「頂上から僕と窪木さんの二人で前に出て、その位置をしっかりとキープしながら、窪木さんにさまざま指示を受け、それに答えられるように動いて。最終コーナー曲がって、ラスト1kmのでは埋もれないように、前に出きっていて。それでラスト600mのあたりで窪木さんが飛び出して」(孫崎)

最後600m、チームの思いを託された窪木は自信を持つゴールスプリントに挑み、ペダリングよりも伸びるように見えるハンドル投げでゴール、優勝こそ逃したものの2位を獲得しました。



「ラスト1kmの直線、ここで孫崎が指示通り動いてくれて先頭に。いい場所を確保できて、脚を使わずにスプリントできました。あれは俺が逆に前で引いていても、孫崎が行けたかと思います。それぐらい二人でいい位置にいられました」(窪木)

ここまでの3ステージでもこの二人、ロードレースでもトラックレースでも活躍できる脚と技術を持つ窪木と孫崎の息は、さらに合い始めてきたようです。「孫崎がここまでやってくれるとは、正直思わなかったです(笑)」と窪木。ポイントリーダージャージは、今日も窪木がキープします。



(窪木 Photo: Nobuhiko TANABE)

改めて、優勝こそ逃しましたが、思い描いたイメージを形にできたステージでした。チーム全員がチームのために動き、そして結果を出す。チームスポーツでは当たり前のことではありますが、それを現実として目のあたりにするのは、見ている方にも心地よさを与えるものです。

次のステージは、長い開催の歴史を持つ南信州ステージ。山岳ステージとして知られる厳しいコースです。この4日間で、目に見えて向上しつづけてきたTEAM BRIDGESTONE Cyclingのチーム力は、優勝を引き込めるでしょうか。


【リザルト】 ツアー・オブ・ジャパン/第4・美濃ステージ 2019/5/22

1 レイモンド・クレダー(チーム右京)3:14:20
2 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:00
3 オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)+0:00
61 石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:00
66 孫崎大輝(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:00
71 黒枝士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+1:46
84 平塚吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+5:29
89 徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+6:01

個人総合
1 ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック)9:17:30
2 エイデン・トゥーベイ(チーム・ブリッジレーン)+0:01
3 アダム・トーパリック(チーム・ザワーランド・NRW・P/B・SKS・ジャーマニー)+0:02
6 窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:12
30 石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0:42
56 孫崎大輝(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+9:52
75 平塚吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+23:37
76 黒枝士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+25:35
82 徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+29:36

*チーム総合
1 チーム・ブリッジレーン 27:53:34
12 TEAM BRIDGESTONE Cycling +9:38



(親子の猿を見かけました)